えいえんに


私が気になった人は、綺麗な瞳で紫っぽいウェーブのショートヘア、青い薔薇を持って私たちの前に現れた。
スラリとした肢体で甘美な声に魅了され、私はただ彼を見つめる。
初めて知ったこの感情。
揺るぎなき、これこそが恋情。
私たちの積み重なり始めた想いの中、馬鹿な女が彼の大事にしている青い薔薇を盗むものだから、戒めにと閉じ込めた。

かのじょはじぶんでとびらがひらけない

それでも女は彼の薔薇を離さない。
ぶちり、ぶちり、花びらを千切っては好嫌を繰り返しつぶやいた。

すき、きらい、すき

私はまだこどもだから足が遅くって遅くって、やっとのことで彼の近くにこれた。
あの女は私が閉じ込めてやったのよ。褒めて、ほめて
なのになぜ、彼は知らぬ女と笑みを向け合うのか。
彼の手には青い薔薇、女の手にも赤い薔薇。
何故馬鹿なあいつの手元にあったそれが彼の手の中にある理由もわからない。
が、私がふと自分の手にはと見下ろせば、まるっこい青い手がこちらを向いていた。

綿と糸と布

私だって、私だって、あの女と何にもかわらない。
私だっておんなのこ
私だってまだこども
私だってまっかなめ
ほら、何も変わらない。
黄色い薔薇のあの子が、赤い薔薇の女と共にあちらへ行きたいと目を瞬かせ、私たちはならば彼をくれとせがむ。

黄色いあの子は、願いを叶えた。
憎き女と彼は離れ、彼は私たちの手のうちへ
招き入れてみればすく、彼は優しく私に笑いかけたわいない会話をしてくれる。

「ギャリ―、ねえ、ギャリ―。もっともっとお話をしましょう?」

えいえんに わたし(たち)と ここにいろ

あいしているわ、あんな世界よりも私たちのほうが

「ええ、もちろんよ。たくさん話しましょうね」

end
20130118

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