honey


結婚しないとやばい。
SNSで呟かれたそれは、スルーっと画面上が更新されると一気に下におりていく。
不意にその言葉を目にして、同じ趣味の友達と飲みに行っても、いつこの趣味をやめるべきかとかいつ区切りをつけるべきかなんて話題に上がる。
彼氏持ちも既婚者もいるが、多分比較的既婚率は低めだろう。
アラフォーもざらにいる。
彼氏持ちの友人らは、たびたび結婚というワードを肴に飲むのだが、そういえば私の場合実家の両親からも彼氏とは仲良くやっているのかだとか、結婚の話はでないのかなど聞かれる。
あいまいにごまかしてばかりではあったが確かに。
そろそろ身を固めたい。
しかし、あのマルコが自分からプロポーズなんてきっとないだろう。
私に甘く最終判断を私に聞くのが最近の流れになってしまっているし、このままだらだらと年をくってしまいそうだ。

暫く考えたあとに、結婚を呟いた友人に私もと同意のリプライを送れば、そこから続く長々とした会話に時たま違う友人からのリプライが割り込む。

けっこんすんの?
うちもこないだから結婚ラッシュ―
結婚式いったらその月本当にお金なくなる!
結婚するなら式には呼んでね(はーと)

はいはいと文字列の打ち込みをしていれば、不意に一人からダイレクトメールが届きページを移り替えた。

「え、結婚したの?!!」

まったくそんな気配のなかった友人であった。
年齢も私より下で、妹の様にかわいがっていたが、たまに男らしい行動をする。そんな友人。
私情故にリプライでは話せないが、報告も交えてという彼女は、なんと自分からプロポーズをしたという。
なるほどそれは考えていなかった。
その日から悶々と考える日々の中、マルコの誕生日を終えたある日に、聞いたことのない海外ブランドのカタログを見ながら小さく物欲を呟いたのが聞こえた。

「オタクの交友関係なめんな」

マルコが風呂に入っている間に品物の写真を撮って、つぶやきにかける。
文章は単純に、これどっかで手に入れられる方法探してる。で画像の添付。
私の友人関係の職業は様々である。
看護師・アパレル店員・webデザイナー、広告代理店・ゲームプランナー・薬剤師に舞台俳優、売れない声優、売れない漫画家。
しばらくすれば、百貨店勤務の友人からうちの店にあるよとリプライが届く。

うまく行き過ぎてて怖いと思わず唇がゆがむほど笑えてきた。

手元に綺麗に梱包された小箱がきて数週間。
予想外に時間がたって箱の角が少しばかりへこんだタイミングで、マルコが転勤すると言葉を吐いた。

いろんな夢小説やBL小説、詩集やドラマでいい言葉がないか考えた。
プロポーズの言葉ってこんなに難しいのかとも思ったが、反対にどんな反応をするんだろうかとも楽しみになったのは、嘘じゃない。

「この万年筆で婚姻届なんて書いてみない?」

まさかマルコが泣き笑いなんて器用な真似をするなんて思いませんでしたけどね。

(She is my honey?)

(バカ言わないで、He is my honey. これが正解)

true end
20151029

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