「三名槍が一本、御手杵……さんの写しであるなまえだ。でもな、俺は御手杵さんの写しである事に誇りを持ってるんだ。」
「なんでってそりゃあ"三名槍"と言われて名高い、あの御手杵さんだぞ?」
「なんでも、俺の前の主がその時の御手杵さんの主に助けられたらしい。」
「それで家宝である御手杵さんと同じ物を作って欲しいって言われて、作られたのが俺だ。」
「でもな…なんでか、長さまでは再現出来なかったらしい。何でだろうな?」
刀帳を開けば、なまえが結構御手杵さん御手杵さんって言ってたのに驚いた。同じ写しでも己を「写しだから」と言ってくる山姥や、笑顔で己を「写しの霊力でもいいのか?」と言ってくるソハヤと違ってなまえは写しである事に誇りを持っているらしい。てっきり写しだから、ネガティブな奴じゃないかと思っていた。下手すれば本人である御手杵の方がネガティブなんじゃ…と思う。
刀帳を閉じろ、と岩融に言われて慌てて刀帳を閉じる。
「此処が皆で食事を取る所だ。…そろそろ昼餉だな、主よ一旦ここで休憩としないか?」
岩融の発言により、三人で昼飯を食べることになった。
今日の昼飯はカレーだった。なんでも育てていたじゃがいもが大量に採れたらしい。人参や玉葱との比率が可笑しい。ゴロゴロと薄い黄色の物体が多過ぎる。それでも美味しそうに食べる岩融を見て、なまえは不思議な顔をしていた。
「あ、なまえ。お前、スプーン持てるか?」
「いや、それは見ながらで出来る…ところで、これは一体何と言う食べ物なんだ?」
「"カレー"って言うんだよ」
「かれぇ」
何時も思うのだが刀剣男士の拙いカタカナ言葉は俺でもかわいいと思う。特に乱が言ってたときには不覚にも「かわいい」と言葉に表したくらいだ。
まぁそんなんでなまえは岩融の真似をしながらスプーンを手に取り、震えた手でカレーをすくう。そして恐る恐る口に運んだ。
「美味しいな…!」
「だろ?燭台切の作る飯は全部うまいぞぉ」
俺がそう言うと台所から「嬉しいねぇ」と燭台切の声が聞こえた。暫くするとエプロン姿の燭台切がカレーを持って現れた。どうやら燭台切もやっとカレーを食べれるらしい。
「そこに居るのは…新しい子かな?」
「っ、そうだ。名前はなまえだ」
「なまえ君か。宜しくね。僕は燭台切光忠。好きな様に呼んでくれて構わないよ」
「そうか……じゃあ、光忠でいいな」
お互いでニコニコと笑いかけながら自己紹介をしていく。燭台切も合わせて四人で昼飯を食べていると、同田貫と御手杵が食べ終わったのであろう、皿を持って歩いてきた。
「…?なぁ、審神者の隣に居るやつってーー」
「御手杵さん!!」
なまえはそう言うと食事中であるにも関わらず、席を立った。ビックリしたのか燭台切が思い切り咽た。俺は慌てて燭台切に水を渡す。
「御手杵さん、もう此処にいたのですね!」
「あー…お前、なまえかぁ?」
「そうです、貴方の写しのなまえです!」
二人が会話しているのを見て、雰囲気だけは本当に似てるなぁ。と思った。
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