なまえが御手杵と会ってからと云うもの、物凄く御手杵さん御手杵さんと五月蝿い。同田貫はげんなりしてるし、遅めの昼飯を食べに来た日本号に至ってはカレーを食いながら二人を冷やかし続けている。
それでなんとなく和泉守と堀川の関係を思い浮かべた。堀川も中々兼さん兼さん言うが、もしかするとなまえはそれ以上ではないだろうか。
「あのなぁ…なまえ」
「なに?御手杵さん」
「…ちょっと、暑苦しいから離れてくれねぇかぁ?」
「暑いんですか?だったらこの"たおる"と言う物を濡らしてきましょう!」
「もうそれでいいや…頼む」
「任せてください!」
言うやいなや長谷部も真っ青な程の早さで台所へと消えた。……蛇口の捻り方分かるのか?
「…大丈夫か僕見てくるね」
なまえが急いで食べたのに対し、今までのんびりと食べていた燭台切が容器を片付けながら台所へと向かって行った。早くしないと床が水だらけになって歌仙に怒られそうだな。
「この隙に逃げっかなー…」
「なんだよ、部屋に戻るのか?」
「なまえとこのまま話してもなぁ…」
苦笑いをしながら御手杵はその場から居なくなった。後で戻ってきたなまえは俺らを見るなり「御手杵さんは!?」と言うなり直ぐに広間から離れた。
「…なぁ、日本号」
「なんだよ?」
「なまえって昔からあんななの?」
「さぁな」
そう言って日本号は酒を探しに行った所を長谷部に怒られていた。
何処も彼処も部屋、部屋、部屋!本当に主さんや御手杵さん達はこの中で生活しているのか…?もう畳がいくつか敷かれた部屋を見るのは飽きた。せっかく涼しんで貰おうと、濡らしたタオルも意味が無いではないか!
「あぁー…一体何処に居るんだろう」
「誰か探してるのか?」
低い声が後ろから聞こえて、振り返ると思ったよりも小さい背丈で、白衣を着た男の子がいた。目が悪いのかは分からないけど、眼鏡をかけている。
「あー、えーっと、御手杵さんを…」
「御手杵なら反対の廊下で会ったぜ?……見ない顔だな、新入りか?」
「ああっ、まだ名前言ってなかったっけな、なまえだ。御手杵さんの写しとされている。よろしくな」
「なまえか。俺っちは薬研藤四郎だ。俺達には兄弟が沢山居てな…まぁ、会ったら皆をよろしく頼む」
「薬研藤四郎…長いな、薬研でいいか?」
薬研はとにかく男前な短刀だな。と第一印象で思った。沢山居る兄弟の中でも年上らしい。お互いで自己紹介しながら、御手杵さんを探してくれた。
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