ロックガールとHalloweenのおわり

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「まったく!心配したぞ!」
「うえぇ…はい、すみません…?」

目の前のハンサムことハルはめちゃくちゃ怒っている。
正直申し上げるとハンサムが台無しである。
あまりの剣幕に思わず謝罪のことばが零れてしまった。

「ボクの心臓に悪いことをするな!」
「は、はあ」

あれ?もしかしてこれはデレ…?いや違うか…なんて思っていたところに、「一体あなた方は、どういうおつもりなのですか!」と女性の声が聞こえて、ハッと現実に引き戻された。
いや、夢見てたとかはないんだけども。
現実を生きていたつもりなんですけれども。

声の正体はマクゴナガル先生だった。
その斜め後ろにはスネイプ先生がいる。少し遅れてクィレル先生が入ってきた。

「殺されなかったのは運がよかった── 寮にいるべきあなた方がどうしてここにいるのですか?」

おっわ〜!これは怒っていますね??さすがに分かるぞ!
話してるマクゴナガル先生より何も言わないスネイプ先生の方が怖いんだけどなんでだろうね!
てか寮にいるべきって何?あたしそれ知らないんだけど?!

「あの、あたし!」

あたしがそう口を開くとそれを遮るようにハーマイオニーが言った。半ば叫ぶように。

「先生!みんなは…私を探しにきたんです!」

それはまぁ、あってるけど!

「私…私、本で読んで、トロールをやっつけられると思いました」

ん?んん?それは違くない?!
本で読んだのは合ってるけど、違くない?

(ハーマイオニーが嘘をついてる!)

「エリン…エリンは私を止めようとしてついてきたんです!」
「えっ」
「でも、戻ろうとするころにはもう手遅れで…そこにハリーたち3人が来てくれて──みんながいなければ、私今頃死んでました…。」

…なんだかよく分かんないけど、ハーマイオニーがあたしたちを庇おうとしてるのは分かった。
ハリーもロンもなにか言いたげだけど、あたしと同じく言葉が浮かばないみたい。
弱ったなぁ、こんなときにまともなフレーズが一言も浮かばないなんて。

そうこうしているうちに、ハルが口を開いた。

「ボクは、ハッフルパフの人からエリンがいないと聞いて思わず飛び出してしまいました。…軽率だったと思います。すみません」

ハルが頭を下げたので、つられてあたしも頭を下げる。
マクゴナガル先生が言った。

「ミス・グレンジャー…なんと愚かしいことを。たった一人で野生のトロールを捕まえようだなんて…。グリフィンドールからは五点減点です。あなたには失望しました」

ハーマイオニーはうなだれた。何も言えないという様子。
あたしも「えー!」って気持ちだよ。もう。

「あなた方は運が良かった。大人のトロールとまともに対決できる一年生はそうそういません。よって一人5点ずつ──グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクローに与えましょう」
「えっ…!」

加点?!まさかの?!
ハリーとロンは顔を見合わせている。
ハルは静かに先生を見ていた。

「エリン・エーカー、ハロルド・エーカー。あなた方はもしや、盾の呪文を使いましたか?」

マクゴナガル先生からの質問。
盾の呪文──プロテゴのことだった。

「使ったというか、使えたって感じですけど…」
「確かに使いました」

マクゴナガル先生は驚きも、笑いもしなかった。真剣にあたしとハルを見つめている。
クィレル先生は後ろで少し驚いていた。スネイプ先生はトロールが起き上がらないか確認していて、表情がよく分からなかった。

マクゴナガル先生は続けた。

「その盾は、友を守れたのですね?」
「「はい!」」

珍しくあたしとハルの声がシンクロする。
あのとき守りたいものは守れた。たった1回だけど、確かに!守れた!

「…それではハッフルパフとレイブンクローにはもう五点ずつ加点しましょう」
「!!」
「ありがとうございます」

やったー!?
喜んでいいのか分からないけどやったー!
……ギターは、やめておこう(ハルがこわい)。


こうして女子トイレでのトロール事件は幕を閉じた。
あたしたちは談話室へ帰ることとなり、ハルともハーマイオニーたちともお別れに。
詳しい話はまた明日、ってことで!
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