7.

「おい」

「ん、なぁに、伽羅。あ、明日はちょっと帰り遅くなるかも」

「明日の朝の食事の支度は出来ない」

「え、なんで?」

「定期更新がある。接続環境から動けない」

「―――――ああ、そっか。春だもんね」


 彼らには、年に一度の更新がある。パソコンなんかのそれと同じだ。各個人が趣味なんかでインストールするデータでは無くて、大本のデータ更新。最適化というやつだろうか。とにかく年に一度、大倶利伽羅がどうとかではなく支援人形自体の基礎データの更新日というものがある。

 パソコンにつないで、情報を更新して、確か半日ほどで再起動がかかる。

 なるほど、夜のうちに繋いでおいて朝から更新し始めて、昼頃に起動。

 そうだね、そんな季節だった。忘れていたわけじゃない。でも、そうだ、そんな季節になったのだ。


「それじゃあ、起こしても貰えないかー。仕方ない、自分で起きないと。一日くらい自分でやるって。加羅が居ない時はちゃんとひとりで出来てたんだからね」

「ああ」

「がんばってね……って言うのも変か。勝手に更新するんだもんね。でも、うん……伽羅、がんばってね」

「ああ」


 パソコンにつないだままスリープモード。日付が変わったら勝手にデータ更新が始まるだろう。

 膨大な量のデータが更新されて、昼には再起動がかかる。


「おやすみ、伽羅」


 おやすみ、私の大倶利伽羅。



 その日の深夜、私は、大倶利伽羅をゴミ捨て場に捨てた。