01.ズボンにやられる中学生



【平凡】

この言葉はあたしの為にあると言えると思う。


あたしは特に頭がいいわけじゃないし、落ちこぼれと呼ばれる程馬鹿じゃない。
まあどちらかというと中の上ぐらいで(しかもギリギリ)

運動神経だって並みの人ぐらいはある。
友達だって必要なぐらいはちゃんといる。

顔は別にブサイクって言われる程でもないし、にっこり笑ったら野郎共の顔が赤くなるほど美人でもナシ。

まあ自分の性格が腐っているということ(=腐女子)を除けば
何処にでもいる平々凡々な女子中学生(因みに今年受験生)


だから今の生活に満足している。これ以上のものなんて望んでいなかった。

…なのに神様はイジワルだ。何か陰謀でも練っていたのだろうか。
あたしがあんな思いする羽目になるなんて思わなかったのだから。





1.ズボンにやられる中学生




「ぶ〜〜〜〜、寒っ!!」


こんにちは、只今真冬(1月)に入り友人の家から帰ってきた女子中学生です。
マフラーに手袋という完全防備をしているにも関わらずあたしの体に冷気を帯びた風が体当たりを仕掛けてきます。


数分かけてやっと辿り着いた家に飛び込むように入っていく。


「ただいま〜」

「おかえり〜〜」

「寒いなあ…ってちょっと!渉あたしの席とってゲームしないでよ」

「ごめんって〜でももうちょっと待ってよ。今大事なとこだから!」

「早くしてよね〜」


こんの餓鬼め、人が冷風という強敵に勝ったというのにあたしのオアシス(ソファ)をとってやがった!!
弟はあたしの2つ下の弟で、今は何か大乱闘してる(※ゲームで、です)


「あにやってんのよ?」

「ん?スマデラ、姉ちゃんも前やってたじゃん。やる?」

ん、と言いながら渉は2Pを差し出してくる。


「いやいいわ。宿題やってこなきゃいけないし」

「そか。」


そう言ってまたゲームに向き直る渉少年。素っ気ないな…
小さくついた溜息はゲーム音に消されてしまった。何もなかったかのようにあたしも2階へと足を進めた。


「(あたしだってゲームやりたいけどね〜今年はもう受験の時期だしな。今の内に勉強して皆と差でもつけとかないと)」


頭の中は既にこれからの計画についてのことばかり。
だから気づかなかった。階段の途中にあったズボン(亮の)に…


――――ズルッ!


「え?」


見事にすってんころりんをかまそうとする!っていうかバナナの皮ならまだしもズボン(亮の)って!?
(ネタが古すぎます)

最初にも言ったように運動神経がこれといっていいわけじゃないあたしは受身をとることができない。
悲鳴をあげるのも忘れて、案の定あたしは次にくる衝撃に備えて目を強く瞑った。




「・・―…―――。」



一瞬頭の中を何かが通り過ぎる。痛みにしては変な感覚が…?
訳も分からない衝動に駆られ、それが何か分からないままあたしは意識を手放した。





【平凡】


この言葉はあたしの為にあると言えると思ってたのに…


それが1ミクロンも合わぬあたしとなる瞬間だった。




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