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教室内で騒ぐ声 この中学校でそれを聞くことができる時間は残り少なくなってきた
周りのみんなは高校を既に選び終わっている
私は
「塵岡 お前まだ高校決めてないのか」
「……はい」
「まあ 確かに選べる高校が多くて決められないかもしれないが、そろそろ決めないといけないからな」
「……はい」
未だに決まっていない。
ー
帰宅後
風呂から出て、ボスンとソファーに寝っ転がる。親は海外で働いているので、兄と一緒に暮らしている。
今はその兄も出かけていないが
「……はあ、高校……か」
とりあえず兄が帰ってこなければ晩飯も食べれないので、時間つぶしにテレビをつける
画面に映し出されたのは 平和の象徴 オールマイトのCM。
ヒーローになろう という内容だった
「……馬鹿馬鹿しい」
ー
それは幼き頃
丁度みんな個性が発現し始める時期
私も例外ではなく、発現した
最初発現したのは犬のぬいぐるみを掴んだ時だった。
そのぬいぐるみが突然腐っていった。それを見た瞬間とても驚いた。当時の私はお気に入りのぬいぐるみだったので泣き喚いたのを覚えている。
今ではある程度制限できるが、幼き私は制御ができなかった。
私の個性は人間にも発動した。
目の前の友達の足が腐蝕していった。あの映像は今でも鮮明に覚えている。忘れるはずがない。ぼとりぼとりと肉が削ぎ落ち、どんどん侵食していく姿。人が腐る臭い。
その子の回復系の個性のおかげで足は治ったが、そうでなければ一大事だった。
その事件がきっかけで、私はみんなに避けられた。時には石やゴミを投げられた。
「ゴミ人間」「敵」「ヒーローなんかなれない個性だな!」
そんな罵声を浴びる日々
そして私はいつしか ヒーローへの憧れはなくなった。
親からは謝罪や、励ましの言葉を言われた。 何も嬉しくなかった。
私はそんなもの望んでいなかった
ー
「雄英……」
意外と近くにある高校 そして今年の偏差値79。
頭の良さも私より少し上なだけ。
目指すには丁度良い高校だ。
そして何より、ヒーロー科の人気度が高い。
ここからプロヒーローになった人も多くいる
「………」
昔から〈迷うより行動〉という私にとって、それは考える必要性もないのようなものだった。
ー
「先生 私 高校決めました」
「おお やっと決まったか。よかった。 どこに行くんだ?」
「雄英です 普通科に行きます。」
「雄英か……まぁ、塵岡の頭の良さなら十分狙えるからな! 頑張れよ」
雄英に行く選択をした私は、ヒーローへの憧れを捨てきれずにいたのを 自分は知らない
ー高校選びー
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