教えて

キーンコーンカーンコーン

二限目の授業がおわった。美鈴は結局教室には戻ってきていない。私はさっき見た光景が頭から離れないままだった。

(…美鈴がデイダラと…)

信じられなかった。また私は守れなかったのかな。美鈴…美鈴…。私の思考回路はおかしくなりそうになりながらも自我を保った。いや、保たなきゃ。私にまだやることがある。美鈴を守るんだ。
私は席を立ち、一階の空き教室へ向かった。









空き教室の中に入ると、そこにはもう誰もいなくなっていた。授業が始まる直前、私はデイダラにLINEを飛ばした。きっとそろそろ来る頃だろうとドアの方を向き待っていた。

ガラッ

「…なんか用かよ、うん」

気だるそうに声を発した。今この教室には誰もいない。授業中なので話を邪魔するやつもいない。

「…なんで、あんな事してたの…?」

私は単刀直入に言葉をぶつけた。何がだよ、ととぼける彼にさらに続けた。

「ごまかさないで。ここで、さっき美鈴としてたこと…覚えてないとは言わせない」
「?!…おまえ、見てたのか?」
「見たくもなかったよ。で?何してたの?」

「……話してただけだよ」

この後に及んでまだ嘘をつくのか。全部、見てしまったのに。私は怒りでおかしくなりそうだった。

「話してただけ?それであんなに美鈴の服が乱れるの?あんな吐息まじりの声をだすの?こんな誰もこないところで…」
「…るせぇ」
「全部見たの。ごまかしても無駄。美鈴とここでしてたこと。生まれ変わっても女に対しての意識は変わってないんだね。私だけじゃなく、美鈴まで…絶対に許さない。絶対にあんたの事は…」

ドンッ

「うるせぇよ。ギャーギャー言いやがって、うん」

後ろの壁に追いやられる私。一瞬ドキッとなる心臓。まっすぐに私を見つめる蒼い瞳。…惑わされるな。

「何、こんな事しても私は負けないから。…教えて。ここで美鈴と…なんで…」

目線をそらさずまっすぐに見つめる。逃げない。美鈴を守る為に目をそらしたらいけない。

「答えなさいよ…」
「…その目」

壁にあった手と反対側の手が私の目の横に触れた。蒼い瞳は目をそらす事なく私の目を見つめ続けている。

「おまえがオイラを見る目はいつも憎しみに溢れてるな」
「…当たり前でしょ。自分が何したかわかって…んっ!!」

何が起こったのか一瞬わからなくなった。しかし、すぐに状況を把握した。唇と唇が触れ合い、舌が入ってきた。拒もうとしてもぐいぐいと入る舌の侵入を止めることはできなかった。

「〜〜っ!!」
「んだよ、下手なキスだな。うん」

そう言って一旦解放された唇に再度口付けられる。荒々しくて息つく暇もない。いつの間にか両方の腕をデイダラの手によって固定される。

「んっ…やめっ、」
「知りたいんだろ?ここで何してたか」

首筋を甘噛みされると全身がビクビクっと反応する。低い声が耳の近くで直に聞こえる。自分の非力さに悲しくなってくる。こうも力で及ばないなんて。目を閉じて悔しく思っていると両腕を掴んでいた手を離される。思わず下にしゃがみこむ私。

「これ以上されたくねぇならさっさと授業行け」

デイダラの言葉に私は黙ってその場を後にするしかできなかった。