オイラは暁のメンバーになってもう10年。最初は9歳でガキだったけど、今じゃ19歳だ。あの頃と比べたら大人になったはずだ、うん。
でも、サソリの旦那からしたらまだオイラはガキらしい。何がガキか、オイラからしたら全然わかんねえ。
「なぁ旦那、オイラのどこがガキなんだよ」
「あ゛ぁ?どっからどー見てもガキだろうが」
「19歳なんだから大人だ、うん」
満足げに答えると旦那は深いため息をついた。でも、すぐに何かを思いついたように怪しい笑顔になった。
「デイダラ、おまえ捺とはどこまでヤったんだよ」
捺ってのは暁のメンバーでオイラの彼女だ。付き合いだしたのは最近だけど、仲は前から良い方だった。
「どこまでって、どういうことだよ」
「わかりやすく聞いてやってんのにわかんねーのか。これだからガキなんだよ」
「う、うるせーな!うん!なんかあるなら言えよ、うん…」
「…〜…は?」
「…した」
「…!…デイダラぁ、、てめーやっちまったなぁ…?」
「え、何がだよ?!」
旦那のいきなりの焦りようにオイラは悪いことをしたんじゃないかと早まった。
「教えて欲しいか?」
「教えてくれよ…うん…」
「トビぃ〜、デイダラ見なかった?」
「デイダラ先輩っスか?見てないっスよ??」
トビも見てないのか〜…
どこ行ったんだろう…。
「捺!!!!!」
「!!で、デイダラ」
いきなり後ろから名前を呼ばれ振り返る。走ってきたのか、心なしか息も乱れており、顔は赤くなっていた。
「探したよ。あのね、今度のお休みに…」
「結婚しよう、うん」
「…へ?」
空耳かと自分の耳を疑う。今結婚て聞こえたような気がしたけど、気のせい?最近任務も忙しかったし、疲れているのかな。
「オイラちゃんと責任とる。捺を幸せにする」
どうやら空耳でも気のせいでもないみたいだ。でも、いきなりどうしたのかな。
「デイダラ、なんかあった?」
「っ!!なんかって…」
私の問いかけにデイダラの顔はますます赤くなり、周りの様子を気にしだした。結婚は私だっていつかしたい。でも、焦らせるつもりもなかったし、焦せるような事を発した覚えもない。デイダラの方も、まだ色々としたい事はあるだろうし、結婚はまだ先の話だと思ってたけどな。
グイッ
「えっ、デイダラ…」
突然腕を引かれて抱きしめられる。デイダラの19歳にしては低く色気のある声が耳の近くで聞こえることに心臓がドキドキする。
「み、みんな来ちゃう…」
「オイラ絶対に捺を幸せにする。一生守っていく、うん」
普段恥ずかしがって好きの一言も言わないデイダラがこんな照れるセリフを…。なんで、いきなりプロポーズしてきたのかは分からないけど…やっぱり嬉しいな。
「デイダラ、ありがとう…私も結婚したい…」
抱きしめられながらデイダラに返事をする。まさか17歳で結婚する事になるとは思わなかったな。でも女が結婚できる年齢は18歳だからあと1年は待たなくちゃと考えながら幸せに浸っていた。
「…で、あとどんくらいなんだ…?」
「私は17歳だから、あと1年くらいかな?」
「じゃあまだ色々準備できるな…。とりあえず…」
「えっ!デイダラ?!」
抱きしめられていた腕は私を軽くお姫様抱っこし、デイダラは急ぎ足でどこかに向かいだした。どこに行くのかと思っていたら着いたのはリーダーの部屋だった。私を降ろすと、ノックもせず部屋に入る。
「リーダー、話があるんだ」
「デイダラ、ノックはしろといつも言ってるだろう」
「捺を今日から任務外してくれ」
へ?私を任務から外す?いやいや、どうしたのデイダラ。結婚するから?準備も確かにあるけど、そんな派手にやるつもりなかったから大丈夫だよ。困惑している私をよそにデイダラは言葉を続ける。
「…デイダラ、いきなりどうした」
「…できたんだ…」
「なにがだ」
「っ…捺とオイラの子どもだよ!!!!」
…はい?
「捺の腹にはオイラとの子どもがいるんだよ!任務にでて、怪我でもしたら大変だろーが!!うん!!」
「…捺、本当なのか?」
状況がつかめない。私とデイダラの子ども?
「あの…デイダラ…」
「大丈夫だ!捺と腹の子どもはオイラが絶対に守るからな!」
「それは嬉しいけど…私達、子どもができるような事はまだしてないと思うんだけど…」
「……え?」
「私とキスしたから子どもができたと思ったの?」
「…あぁ…」
あの後、リーダーの部屋をでて私の部屋に移動し訳を聞いた。私とキスした事で子どもができたと思っていたらしい。
「デイダラ、アカデミーの時保健体育の授業ちゃんと聞いた?」
「オイラ9歳で里抜けしたから受けてねぇぞ」
なるほど。そりゃ知る訳ないか。ずっと芸術一本で生きてきて、性知識がある訳ないか。…あれ、でも…
「サソリはそういう事教えてくれなかったの?」
「…旦那から聞いたんだ」
え?サソリが子どもできたって?…わかった。いつものデイダラへのからかいだな。
「…早とちりして悪かったな」
「…デイダラ」
「なん…!?!」
なんともいえない表情で下を向くデイダラを呼び、私は頬にキスをした。
「今回は勘違いだったけど、嬉しかったよ。だから、絶対いつか結婚しようね」
「あ、、当たり前だろ、うん。俺以外と結婚とか認めねーよ」
「うん、知ってる」
真っ赤になった顔を手で隠し、そっぽを向きながら話す彼が愛おしくなった私は静かに抱きついた。
「…なぁ、捺」
「んー?どうし…きゃっ…」
振り向いたと思ったら、座っていたソファに押し倒される。さっきまでの照れていた表情は既になくなっていた。
「子ども作る練習しとこうぜ」
「…さっきまで知らなかったくせに」
「うるせーよ、捺だって初めてだろ?」
手のひらの口から出た舌が私の耳を舐める。「ひゃぁっ」と声をあげると唇と唇が重なり合った。
「練習しといた方がお互いの為だぜ?」
言ったら聞かない彼はもう手をやめることはないだろう。見上げながら私は諦めた。
「…避妊はしてよ」
その言葉を合図に私達は子作りの練習…もとい愛を確かめ合ったのだ。