血を見ると滾るよねぇ




「敵襲ーーー!!!!」


カンカンと鳴り響く警戒音。



「敵襲?」

「お前は初めてだったねぃ。ま、大人しく親父んところにいりゃ危険は……」

「それ、アタシも参加していい?」

「戦えるのかい?」

「まぁ、向こうでは殺し屋の真似事みたいなコトしてたからそれなりに?」

「へぇ。じゃあ出てみるかい?」

「これだけ人数がいるんだから相手にするのも多分当番制だよね?今回はどこが担当なの?」

「今日は確か……あぁ、ハルタんところだな」

「ハルタ?」

「昨日いた、王子ぽい格好した奴だよい」

「小さくて可愛い男の子か!」

「アレでも30越えてるからな。本人の前で言うなよい」

「ワォ……」



のんびりと会話していた二人だが、更に強まった警戒音を聞いて甲板へと足を早めた。

隊長のハルタを探して甲板を見回すと、最前線とも言える場所に陣取っていた。



「ハルタ!」

「マルコ、どうしたのさ?もうすぐあっちに向かおうと思ってたんだけど」



敵船を指さしたハルタに、マルコはクロナを連れて行くように言った。



「え、本気?女の子なのに」

「まぁ本人が言ってんだ。それにもしダメだったとしても、その程度だったってことだろうよい」

「そういう事〜。よろしくねぇ、"ハルタ兄"」

「ま、まぁ……そこまで言うなら連れてってあげるよ。でも足を引っ張るようなら置いてくから!」

「モチのロン。全然置いてってくれて構わないよ〜」

「じゃあ、そういう事だから頼んだよい」



そう言ってマルコは特別危機感なく船内へと戻っていった。



「ホントに戦えるの?」

「さっきも聞かれたけど、大丈夫だよ。多分、人殺した数だけならアンタら海賊にも負けちゃいないからサ」



にへら、と笑うクロナ。

事も無げに言った末妹に、微かな寒気を感じたがその感覚を見なかったふりをしてハルタは号令をかけた。



「じゃっ、行くよー!!全員油断せずに怪我は極力しないこと!もし怪我したら次の訓練では筋トレ倍ね!」



ブーイングが飛び交う甲板は、これから命の危険があるようには見えないほど和やかな雰囲気を醸し出していた。


クロナはそっと敵船の帆の上、見張り台へ目を向けた。



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