女の子になってから出直してきてぇ





「アタシ、クロナっての。よろしくぅ」



こてん、と首を傾げながら言ったクロナに、白ひげの息子ことクルー達は目を丸くした。



「お前らぁ!!新しい家族だ!!仲良くやれよ!」



そう言った後、大きな笑い声を上げた白ひげ。



「親父!?どういうことだよい!もう少し説明を……」

「マルコ、こいつぁ海の迷い子だ。偉大なる航路のことも何一つ知らなかった」

「海の迷い子!!実在したのか?」

「グララララ、生きてる内に会えるたァ、俺もまだまだツイてるぜ」

「親父殿ぉ。さっきも言ってたけど海の迷い子って?」

「偉大なる航路で現れると言われている異世界から来た人間のことさ」



クロナの質問に答えたのは、黒髪の綺麗な、女形の格好をした男だった。



「異世界ねぇ……、まぁどこに行こうがやること変わんないから別に良いんだけど」

「クックック。どうも親父は面白いもん拾ったみたいだねぇ」

「見てて飽きねぇだろ、イゾウ」



愉快そうに笑うイゾウに白ひげはそう言った。
紅を塗った唇を釣り上げてイゾウは同意して、クロナの髪をひと房手に取る。



「これからよろしく頼むよ、クロナ。俺ァ、イゾウってンだ。どうやら所作から見るにお前の故郷は俺んところと似てるようだし、色々話を聞いてみたいねぇ」



からかい半分、真面目半分といった具合でクロナを誘うイゾウ。
周囲にいるクルー達は新しく出来た妹を構いたくてチラチラと様子を伺っている。



「残念だけど、イゾウが女だったら夜通し気が済むまで話したかったんだけどね」

「おやおや。この俺が振られちまったよ」

「相手が悪かったと思ってよ。アタシ、男より女の方が好きだからサ」



ケラケラ笑いながら放たれた爆弾発言に聞き耳を立てていたクルー達は驚きに目を点にした。



「「「「お、オンナ好きぃぃぃいい???!!!!」」」」

「アッハ、ごっめんねぇ〜」



中身はともかく容姿は良かったクロナに淡い恋心を抱いていたクルーの数人が肩を落としたのが見えた。

苦笑いで兄弟を見るマルコ。
呆れ返るイゾウと白ひげ。

豪胆な妹の言動を肴に酒を酌み交わす家族たち。



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