永遠の箱庭


シークレットレポート


1

マスターから命じられた使命には予知書の乙女の器を確保するものというものがある。
予知書の乙女…予知書が自我を持ち、心を宿した存在。彼女は純粋で光と闇、どちらにも傾倒しない存在でないといけない。彼女の器もまた然り、…だが身体を変えその先で予知書の乙女の器に相応しい少女を見つけた。

彼女の名前はカル。スカラ・アド・カエルムで修行をしている唯一の魔法使い。彼女は今まで会ったどの女より純粋で美しかった。

手始めに彼女に近づき手中に収めよう。


ルシュ




2

レポートが全て黒く塗りつぶされており読むことが出来ない




3

予知書の乙女に器を与えた。
乙女はすぐに意識が覚醒したが、すぐに目を見開いて叫び声を上げて取り乱した。
マスターによると、自我が目覚めるのはそう遅くないという。

彼女を”乙女”とは一々呼びにくいため、名前をつけることにした。
”カル”
”Call”
”コール”
”彼女”の名前からとって、コールと名付けよう。
その名の通り、闇と光どちらにも届く声となるように。

ルシュ




4

マスターと乙女と別れてからしばらくたった時、ある時"乙女"が目の前に現れた。

乙女は微笑んでこう言った。

滑稽ね。愛した女の器を使ったのに、もう"彼女"に会えないのね
いい事を教えてあげる。”彼女”の心は私に熔けていない。でもね、もう二度と貴方に会うことは無いわ

さようなら

気が付くと乙女はそこに居なかった。もしかしたら幻覚でも見ていたのかもしれない。
真意を探ろうと、コール、そして乙女に接触を図ろうとしているが、それも上手いこと避けられてしまう。

乙女の言っていることは全てが”真実”

一番大切なものを手中に収めていたと勘違いしていたが、いつの間にか無くしていた。それだけのハナシだ。

ルシュ




5

自我が目覚めて直ぐに、私は私が隠した”彼女の心”との接触を測った。

私と彼女はこれから長い時を過ごす、そのために彼女のことを彼女の言葉で知る必要があると思った。だから彼女に全てを聞いた。

彼が好きだった
今も好き
でも許せないし、会えない
会ったら許してしまいそう

彼女の心は純粋だからこそ、色々なものを抱え込んでいた。ヒトはなぜ、こんなにも思いが強く、孤立してしまう可哀想な生き物なのだろう。

私は彼女の心を休めるためにももっと深いところにしまえば、彼女にひとつ提案をした。

『私の心とあなたの心を重ねて、人格を作り上げ、全てを共に見届けてましょう』

彼女は私が力になれるならと、二つ返事で了承した。

私たちは"コール"。
予知書の乙女であり、孤独な魔法使い。

作者不明




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