四角い白い箱の中には、多くの子供たちが住んでいた。その子供たちは身寄りのない人がほとんど。朝早くに四角い白い箱の塀をよじ登り、走り去る少女が1人。少女は薄紫色の髪と髪飾りの水色のリボンをはためかせて、懸命に白い箱から離れていく。
血は繋がってないが、大好きな”家族”が頭をよぎる。
(大丈夫。私は外の世界を見てみたいだけ、それに手紙だって置いてきたもん)
だが、彼女が施設を飛び出した理由は他にもある。それは服の下にある無数の傷.......施設の職員によりつけられたものだ。彼女は施設の職員から暴行を受けていた。それから彼女は逃げたのだ。彼女はそのことを思い出すと足元がよろけ、何も無いところにつまづく。うっ.......とうめき声を出し、無理やり起き上がる。右足からはつぅっと赤い血が流れる。そんなことを気にせず、彼女は足を引き釣りながらも、遠くへ遠くへと去っていった。
たどり着いたのは市内の駅、特に行く宛はないが、施設で貰った手持ちのICに数少ないお小遣いを入れて電車に乗る。入ってるお金は本の数百円のため、2、3駅で降りる。
(ここが外の世界。広い。すっごく広い!)
目には希望しか映らず、これからの事なんて特に考えていない無垢な少女は、駅の近くにある広場へと入る。そこで嬉しさのあまり、くるくると回り、芝生に寝転がる。
(私はこの広い世界で生きていくよ、養父様、蛮、澪。)
少女はにっと微笑むと、お日様ががちょうど出てきて、右手を伸ばしてお日様に手を当て、ぐっと握る。綺麗な朝日を眺めて彼女はこれから来る未来を楽しみにしていた。
”そんな自身の最高傑作を見ていた死神のお姫様は、紅茶をすすりながら小さく、貴方の運命に幸があらんことを。と呟いた”