そんな日が過ぎていったが、私はどう過ごしていたのかと言うと、自身の特技を生かし、路上ライブというものを嗜んでなんとか過ごしていた。施設にいた頃から私の歌声は恥ずかしながらに養父からも天使の鎮魂歌の様だとも評されたこともある。2,3日は人が数人しかなく、お金もそんなに集まらず、公園で夜を過ごしたが、今はそんなことはなく、10人を超える人が私の歌を聞き、それなりのお金も集まってきた。
『ありがとうございます〜!』
今日も私の歌を聴いてたくさんの拍手がわたしを包む。そして、わたしが公園を後にしようとした時、後ろから誰かに肩を叩かれる。
「あ、あの、天使さん!」
私が振り向くと、そこには中学生ぐらいの女の子がいた。桃色の髪と緑色の瞳をして、目が合うとわぁっ!と顔を赤らめて花が舞ったように喜んだ。ちなみに、”天使”とはここ数日のあいだに着いた私のあだ名である。
『こんにちは、小さなお客様』
私は小さなお客様にスカートの裾をつまんでお城にいるお姫様がするようなお辞儀をした。そうすると女の子も真似してお辞儀をした。それを見て微笑ましく思い、思わずふふっと声が漏れる。
「天使さんみたいにキラキラするにはどうしたらいいのかしら.......?心も天使さんみたいになりたいわ!」
『私みたいに.......?』
「うん.......!!!」
女の子.......心の瞳は夢見る女の子のように星が輝いたように眩しかった。そこまで私に憧れているのだろう。
『キラキラするには、私みたいになりたいって思ってはだめ、ちゃんと心ちゃんには心ちゃんの良さがある。その良さを活かせば、心ちゃんはキラキラできるよ!だって今もキラキラが散らばってるもん。』
上手く言えないけどっと小さな声でつけ足し、微笑むと、心は少し残念そうに肩をすくめるが、直ぐにぱっと笑顔になった。
「そっかぁ、心は心だものね。ありがとう、天使さん!これ、あげるわ」
『ありがとう!綺麗な花だね。』
「.......っ!でしょ!心、いつかポインセチアが似合うような男の娘アイドルになって見せるから、もし本当にそうなったら天使さん一緒に歌ってくれる??」
ポインセチアかー.......と嬉しく頬が緩んでる時、言われた言葉が頭の中でリピートされ、私はフリーズして、一時停止.......こんな可愛い女の子.......どうみても女の子のこの心が、男の子だとは誰しもが思わないからだ
わたはネットカフェで眠りにつくまで、男の娘.......あんな可愛い子が.......男の娘.......とうわ言のようにブツブツと独り言が止まらなかった.......。