やきもち

廊下を歩くのは職員であり、亡きダ・ヴィンチの助手……今は小さなダ・ヴィンチの助手であるルシア・ガーネット

彼女は食堂に向かいバタバタと走り気味に歩いているが、その目の前にはグレーじみた金髪、鎧を着て銀の腕を持つ男がいた

「サー ベディヴィエール、貴方も食堂へ行くんですか?」

後ろから近づいて声をかけると彼は振り向いて彼女をみると口を開く

「湖の貴婦人……貴方もですか?」

湖の貴婦人、その言葉が出るとルシアは顔を顰める。その名前は捨てた名前だ。彼女は妖精としてではなく、人間として生きることを望んだ。そのため、彼女にとっては封印された名だったのだ。まぁ、でもベディヴィエールならしょうがないかと思い、深くため息をつく。

「ここではその名前はやめて。ルシアと呼んでくれて構わないから。」

「これは失礼しました。レディー・ルシア」

胸に銀の腕を置き、騎士が忠誠を誓うように頭を垂れた。ルシアはそこまでしなくていいのにと思いながらも、それこそ水のように真顔で流した。

「まぁ、いいわ。それより、御一緒してもいいかしら?」


「……!もちろんです。」


2人は傍から見ればカップルのように食堂へと入り、2人で同じタマモキャットのオムライスをたのむ

それをおいしい、おいしいと言うように2人で頬張り、みるみる食べ終わると……2人はなにやら話し始める。

それを……彼に見られていると知らずに


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最近召喚に応じたサーヴァント……ギャラハッドは生前付き合っていたルシアと昼食を共にしようと部屋を覗き込むが彼女の姿が見当たらず、そのまま食堂に向かった。

食堂の前につくと、彼女の姿が見える……こばしりで走り、声をかけようとするが言葉は喉の奥で止まるそう…彼女の隣には見たことのある騎士が並んでいたからだ

「ベディヴィエール……卿?」

なんだか胸が痛み、むかむかと感じに襲われそっと2人の後をつけ、近くの席に座り、2人と同じものを頼んだ。


食べ終わると、ベディヴィエールは彼女を部屋まで送り届け、部屋の前までも2人は話し込んでいた。本当にふたりは出来てしまったのか…。先ほどと同じように胸が痛む。

気がつくと2人の目の前まで行き。ルシアの顔を自身の顔に引き寄せそっと唇を重ねた。  

「んっ……?!」

「ギャラハッド……?!」

数秒経ち、口を話すと顔を真っ赤にした彼女と驚いた顔をしたベディヴィエールがいた。

「僕の恋人と何長話してるんです?」

ふっとギャラハッドは笑い、問いかけるとベディヴィエールはなりゆきを説明し、ただの勘違いということが発覚した。その後、ギャラハッドはルシアと同じ顔を真っ赤にし、ルシアにしばし怒られたのであった。