ポッキーゲーム

「ギャラハッド、今日は何の日か分かりますか?」
ポッキーを肩手にイタズラげに口端を上げて、ダ・ヴィンチの助手、ルシアは恋人であるギャラハッドに問いかける。
当の本人、ギャラハッドはもちろん何のことか分かっておらず、はて?と首を傾げる。そもそもカルデアで召喚されてからそんなに日はたっておらず、聖杯からの記憶で、今日11月11日は何の日かなど、何もなかったのだ。
「……なんの日なんだ?そのお菓子が何か関係するのか?」
首をかしげながら答えるギャラハッドにルシアはふふーん?とイタズラげに鼻を鳴らした……と思うと、ポッキー1本をとりだして、ギャラハッドの口へと運び咥えさせる。んなっ?!とギャラハッドを驚くのもつかの間、ルシアはギャラハッドの咥えている側と逆の端を口に咥える。ルシアはイタズラという名のポッキーゲームがほぼ強制的に始まったことにさらに笑みを浮かべたが、ギャラハッドは思わぬ事態にリンゴのように耳まで赤くして固まっている。それをいいことにルシアは小さく、小さく、ポッキーを食べていき、あっという間に真ん中まで食べ終えた。そこまできてギャラハッドはやっとルシアに悪戯で、今日カルデアで話題になったポッキーゲームをされていることを理解した。
そこで、ぷつっと頭の中で理性というものが切れ、ルシアの口が止まっているうちに口を進めていく
(どうなってもしらないからな!!!)
と思いギャラハッドはルシアがえっ、と顔を赤くして思考停止する頃には唇が触れ合う程に達した。
「〜んぅっ、ふ」
気づけばルシアからは甘い声が出ており、舌が口内で音を立てていた。苦しい、とルシアがギャラハッドの胸を叩くと、ギャラハッドは口を離したが、舌舐めずりをして、ごちそうさま、も小さな声で言い、自室へと戻って行く。ルシアはやられた…とへなへなとその場にしゃがみ込む。

そのことを知った藤丸立香はルシアさんにポッキーゲーム教えたの誰?!っと聞いて周り、最終的にダ・ヴィンチがいや〜、とてもいいものを見せてもらったよ、ギャラハッドもなかなかやるね〜と、呟き。ルシアとギャラハッドにあんまり変なこと教えないでください!とお叱りを受けたが、凝るに凝らなかった。