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あの後エミリオが起きたのは夜もすっかり更けた頃だった。気怠そうに身体を起こした彼の手を握ったままうとうとしていた私は一気に眠気が吹き飛ぶ。

「ここは…?」
「目が覚めたの!?…っよかった…ほんとによかった。ごめんね…私がもっとしっかりしてたらこんな怪我しなくて済んだのに…」
「お前の所為じゃない、だから気にするな」
「あのね、あの…」
「…?」
「エミ、リオ…ごはん、食べる…?」
「……!」

驚いたように目を見開くエミリオ。やっぱり迷惑だったかな。嫌じゃないかな。そっと手を離してしまうが、今度はエミリオから手を握ってくれた。強く、離れたくないと言うように。

「食べる。けど、…もう少しこのまま…」
「ふふ、エミリオの甘えたさん」
「べ、別にいいだろ。たまには」
「うん、そうだね。たまにはいいよね?」





すっかり遅い夕飯を終え、明日の朝ダリルシェイドに戻ろうと計画を立てる。お風呂も借りて私も寝ようと同室へ当たり前のようにやってくれば何故か顔を真っ赤にしたエミリオ。何がどうしたのだろう?

「お、お前…もしかしてここで寝るつもりなのか…?!」
「だって私たちの為に二部屋分借りたら迷惑じゃん。それに昔は一緒に寝てたし」
「そういう問題じゃない!」
「じゃあどういう問題なの?!」
「……とにかく!僕は一緒に寝ないからな?!」
「なんでよケチ!じゃあ私ソファで寝るからいい!」