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どこでもトイレ
現実
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結果、先輩から嫌われただけじゃなく、僕がゲイだということが学校中に知れ渡ってしまう。

青木君が出て行った数十分後。
ようやく後始末が終わった僕は、荷物を鞄に詰め、放課後の教室を後にした。


今日は夏休み明けの一日目ということで、大きな荷物を抱えている生徒もちらほら見える。
地元に帰省していて、寮に戻る前に直接学校に登校した生徒も少なからずいるみたいで、僕もそうすればよかったかな、なんて今更だけど思っていたり。

僕が進学したのは日本有数の進学校で、全国から優秀な生徒が集まっている全寮制の男子校だ。
つねに学年で3位以内をキープしていた僕は、必死に勉強してなんとか入学することが出来た。

だけど……。

東大合格率全国一という実績が示すように現実には恋愛に現(うつつ)を抜かすような生徒もいなくて、いざ入学してみれば、僕が想像していた学校とはまるで違っていた。


高校デビュー、つまりは高校で彼氏を作ることを夢見ていた僕は、受験するにあたり、中高一貫教育で全寮制の男子校であることを条件に進学先を探した。
それはBLにおける王道学園のあれこれを鵜呑みにしてしまったからで、学校のホームページを見たり、いろいろ検索したり、最終的には下見までして今の高校に決めたのだ。

ちなみに、山奥の人里から完全に隔離れた場所にある学校は一校もなかった。
一番条件に合いそうなのが、山の麓の町にある今の学校で。
あとは学生寮や生活施設まで視察させて貰って、一番理想に近かったのも今の学校だったのだ。

僕はゲイだけど、年齢的なこともあって発展場のような所に行くのを躊躇していた。
だからこそ片思い専門だったし、そんなだから高校生になったら本格的に恋をしようと心に決めていた。
全寮制の男子校を志望したのもそのためで、ただ僕が腐男子だということが仇になってしまった。

ルームメートになったのはクラスメートでもある結木君で、彼は王道のマリモのような見た目をしていて、身長も160センチ少ししかなくて。
腐男子じゃなくて美少女アニメオタクみたいだけど、彼は変装を解くと美少年なチワワになると踏んでいる。
入学早々にそんな彼を目にして、僕は浮足立って周りが見えなくなってしまったのかも知れない。

他の生徒も表立って付き合ってる子たちはいないみたいだけど、顔を突き合わせて仲良く勉強してる子たちがいたり。
高校生らしく友達同士でふざけたりしてる子もいて、僕は知らず知らずにそんな子たちに腐ったフィルターをかけてしまっていたのだ。

それに気付いたのが先輩に告ったあとで、冷静になってよく見てみれば同性愛がオープンになってるどころか、一般的な学校と同じように偏見の目で見られていることがわかったのだった。


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