燃えるハート



赤みがかかった茶髪に癖毛が目立つ
服装は制服なのにどこか動きやすそうにしている
噴水で何かを探していたのか髪が少し濡れていた


その人は私を見ると一瞬固まった
そしてその後に私に向かって近付いてきた

「お前は!今年から入ってきたといプロデュース科の女子生徒だな!!」
「は、はいっ!」

いきなり大きな声で話しかけられ、屈託のない笑顔をこちらに向けているのでどうやら悪い人ではなさそうだ


「俺は燃えるハートの守沢千秋だ!お前よりは1つ先輩だな!まあ、なにも気にせず俺に話しかけてくれるといい!はっはっ!!」
「わ、私はさちです…よ、よろしくお願いします」

根負けするつもりはないが、その人はとても明るいというか、どちらかと言えばうるさいタイプなんだろうなと思うと少し声が小さくなってしまった


「うむ!さちか!どうかよろしく頼む!」
「あの、守沢先輩?」
「千秋でいいぞ!気にするな!」
「では、千秋先輩は何をしてらっしゃるんですか?」
「おっと!そうだ、うちのかなたをみなかったか?いつも『ぷかぷか』などと言って噴水の近くで遊んでいることが多いのだが…」


どうやら先輩は『ひと』を探していたようだ

「このあたりでは見てないですね」
「そうか、すまん!ではまたな!さち!!」


忙しなく走っていった先輩の背中から私は何故か目を離せなかった

でも、またすぐ会える!そんな気がしていた



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