初夏。
木々の葉の瑞々しい緑色に、日の光が差し込み水面の如く揺れている。
天気の良いこの日。白星美空は外出した。
久々の非番に私服の白いワンピースを着て。
「…フンッ!ヨイショ!あぁきつい!」
暑苦しい声が響く。
気分転換に、図書館に向かう道をいつもと違う道にした美空。
順調に自転車で風を切って走っていたのだが、上り坂に来てしまった。
「体力、つける、どころかっ、行き、倒れて、しまう…!」
ヒィヒィ言いながらペダルを漕いで坂を上っていると、前方で動かない人影が見えた。
初夏とはいえ、東京は暑い。具合が悪くなったのかと心配した美空はその傍らで自転車を停め、降りた。