「…ふぁあ」
気持ちのいい天気だ。
美空は今、窓の外をのほほんと眺めながら警視庁内を歩いていた。
今日、土曜日の朝。
勇太と美空は冴島総監に呼び出されたのだ。
「おはようございます!冴島さん」
「おぉ、元気いっぱいだな勇太君」
「おはようございます…ふぁ……冴島総監」
「フフッ、おはよう美空君」
「すみません…徹夜で課題やってて」
「そうか。あまり根を詰めすぎないように」
「ありがとうございます」
その後また無言で目をこする美空。
事件で授業を途中で抜けた場合、科目担当教師がわざわざ美空のためにプリントを作成し渡してくれるのだ。
自分のためにわざわざ。
だから美空は、なるべく次の授業に間に合うように課題プリントを徹夜してでも勉強するのだ。
(今は仕事仕事!)
自分の顔をバシリと叩き、美空は冴島総監の話を聞いた。
「最近大曲市内で不審者の目撃情報が相次いでいる」
「不審者?」
「あぁ。学校近辺で特に多く目撃されていてな…声を掛けられた子供も何人かいたらしい」
「なんだって!?」
驚き声を上げる勇太。
「冴島総監。声を掛けられた子供に怪我は?」
「無かったよ。だが…」
「?」
総監は悩み言葉を選びながら口を開いた。
「子供達は皆、君達二人のことを聞かれたと言っているんだ」
「えっ?」
勇太と美空は二人そろって首を傾げた。
デッカードとの交流や、刑事になるかなど、マスコミに聞かれたことはあった。
しかしそれももう過去の話。
(今更何を?)
「マスコミの人達かな?」
「調べてはいるんだが…ウーム」
「今日呼んだのはその捜査ですね?」
「あぁ。休みの日にすまないね」
「いいえ。子供達や友人にも聞いてみます」
こうして通学路不審者出没事件の捜査が始まるのだった。