白バイとお散歩(6)

潔く連行されていった縁遠巡査を見送り、美空はやっと肩の力を抜いた。
日はすっかり落ち、遠くの空にオレンジ色の名残が微かに見えた。

「はぁ…」
「朝からとんだ散歩になっちまったな」
「うん。ごめんよ…」
「おいおい謝んなよ!…アンタといると退屈しねぇから、その…なんだ」
「ガンマックス?」

ヘッドパーツを掻く仕草をした後、彼は言った。

「今度は、アンタから声掛けて来いよな」
「!」
「アンタなら、許してやるよ」
「〜っ!!ガンマックスぅう!」
「おっと」

嬉しくてガンマックスの足に抱きつく美空。

「本当にいいの?!」
「あぁ」
「やったぁ!ぐへへ」
「オイ笑い方」

はしゃぐ美空を見ながら、ガンマックスは先程の縁遠との会話を思い出した。


「なぁ」
「…なんだ」
「白星警部補。凄いよな」
「誉めたって不問にはならねぇぜ」
「そうだね…まだ子供なのに、ちゃんと警官やってるよ」
「……」
「子供だからって、なんとか見逃してもらおうとしてた自分が恥ずかしい」





「ガンマックス?」
「あぁ、どうした」

ぼんやり考え事をしていたのに気づかれたかと、ガンマックスが美空の方を見た。

「…へへっ」
「?」
「ガンマックス」
「なんだよ」
「ガンマックスぅー!」
「だからなんだよ」
「呼んだだけ!」
「ハァ?……あんまりはしゃぐなよ、恥ずかしい奴だな」
「ごめん、無理」
「なんでだよ」
「だって…すごい嬉しいんだもん」

集音センサーが、美空の声色が変わるのを認識する。
はにかんだ彼女に、ガンマックスは数瞬目を奪われた。

「ありがとう。ガンマックス」
「You're most welcome.」
「え?どういう意味?何て言ったの?」
「家に帰ったら自分で調べな。学生さん」
「げ〜っ…英語苦手なんだけどなぁ」

ヒントを強請る美空と、それをあしらうガンマックス。
長く延びた二人の影は、並んだまま警視庁への帰り道を進んでいくのだった。