劇的に彩って(19)
「これがいいです」
「橙ですね!なまえさんの黒髪に映えてよろしいお色かと」
「ありがとうございます」
指差した振袖は鮮やかなオレンジ色。夕日、いや紅葉した木々か。とにかく目を引く色だ。
「あ」
「どうしたのなまえ?」
「な、なんでもない」
何故か彼が思い浮かんできた。
頭をぶんぶん振ってると。
「もしや…好きなお方を考えていたのでは?」
「へ?」
「なまえ、そうだったの…」
「あの」
「なれば!好いている方に振り向いてもらえるよう、微力ながらお手伝いさせていただきます!」
なんか、断りづらい雰囲気…。
ちゃんと説明せねば。
「いや、好きな人じゃなくて」
「なまえ!お前!好きなヤツがいたのか!」
ドバーンと扉が開き、下にいたかすがが入ってきた。
「あーもー分からん!」
「そうか…!?」
何かに気づいた顔のかすが。
「?」
「それなら探しに行くぞ」
「え?」
「新たな出会いをですね!」
「いいわね、それ」
「まつさん、なまえを頼みます」
「綺麗にしてあげて…?」
「はい!」
あれよあれよという間に、みょうじなまえ改造計画が立てられる。
「なまえ…覚悟しろ」
「彼氏作る勢いで、ね?」
「え゛ええええ!!」
女子力の高い3人に囲まれ、悲鳴を時たま上げながらなまえは成人式の準備を終え、友人と別れた後だるそうに歩きながら帰宅したのだった。