勘違われてスパダリ?(2)

白い敏腕看護員の鋭い蹴りを掌で受け止め、狙われていたサンダークラッカーに視線をやる。

「無事だな(ギリ間に合ったー!!)」
「なっ、なまえ!?」

驚愕の表情で片腕を押さえる彼は、右翼部分からも火花が散っている。
ジェットロンの機動力が発揮できない今、援護しても勝利は難しいだろう。

「帰還しろ。援護する」
「お、おう」
「今日こそ降伏してもらうぞ!なまえ!」
「無理(な相談)だ」

赤い警備員が、ラチェットの救援に後ろから迫っている。

(顔恐っ!)

傷つけるつもりはないので、弾幕で土煙を上げ目眩ましに。
…何でセンサーで索敵しないのかというツッコミは、初代TFだからっていうことで納得したのは最近だ。

側にいたサンダークラッカーの痛めていない側の肩を担ぎ、空へ飛び立つ。
A-12偵察機(ブラックバードの改良前の機体)をスキャンしたおかげで、二人とも追撃してくる銃弾やレーザーを避けて帰還することができた。


「よく戻ったな、サンダークラッカー。なまえ」
「はい」
「すいませんメガトロン様…」

俯き謝罪するサンダークラッカー。

「…」
(おっさん声なのに何か可愛いんだよなぁ…)

落ち込んだ様子に慰めようと、両翼の間にあるスペースを撫でたら、びくりと肩を震わせた。どうやらくすぐったいらしい。

「…っ!」

(傷に響くといけないな。やめとこ)

「サンダークラッカー、此度の作戦はエネルギーの奪取が目的だ。作戦は成功し、目標値以上にエネルギーは手に入った。よって今回は不問とする」
「ケッ、同じジェットロンとして情けないったらありゃしねぇ!」
「スタースクリーム!」

自身の割り当てられた任務は上手くいったらしいスタースクリームが、兄弟機に拗ねたような態度をとる。

「……すまない」
「は」
「俺が、もう少し早く救援すれば…」
(兄弟皆で成功を分かち合いたいよね〜!分かります。サイバトロン星で、航空救助機動部隊をしていたから援護や救助には自信があったが…)

「サンダークラッカー」
「ひゃ、ひゃい!」

険しい表情になっちまったみたいで、呼び掛けたらビビられた。
でも、今退くわけにはいかない。

「お前に触れたい(お詫びとしてリペアさせてください!お願いします!)」
「…へぁ!?」
「(キレイに直すから)俺の部屋に来い」
「えっちょ、なまえ?待って。待って!」

ボディを強張らせ、ぎこちなく抵抗するサンダークラッカー。
あぁ、早くリペアしなくちゃ。
そう思って俺は、彼の機体に負荷が掛からないように持ち上げた。

(つーかそんなに拒否んなくてもよくね?結構仲良い感じだったのに…よし決めた!もっと仲良くなってやる!)

「覚悟しろ」
「な、ななな何を!!?」
「…今夜は寝かせねぇ(酒好きだったよな確か?今夜は飲んで愚痴って語ろうぜ)」
「っ!〜!!?」

腕の中で身体を震わせオーバーヒートした彼に、俺は飛び上がるくらいに驚いた。
そして、飛び上がったついでにそのままリペアルームへ急いで向かったのだった。
二人が居なくなった後。



「いやぁ…今日もエロかったな。なまえのヤツ」
「オレ、アイツになら掘られてもいい」
「激しく同意」
「いいなぁサンクラのヤツ。今ごろヒンヒン鳴かされてるだろうさ」
「そんな仲だったのか…」
「いや、俺等が知らないだけで、他にもアイツに抱かれたヤツいるんじゃなかったか?」
「俺ぁシャットダウンするまでに5エネルゴン」
「最終的におねだりするまで焦らしプレイに8エネ」




腕の中でオーバーヒートした水色の航空兵の行く末をエネルゴンで賭けている彼等は知らない。
なまえはただ心配しているだけであることを。
会話の内容は、ただのリペアと遊びの誘いであることを…。

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