種よ、人の望みよ喜びよ(4)
厨に着くともう準備は整っており、里美は小十郎と梵天丸に広い鍛練場(以前里美と家臣の家中戦で使った場所)に行くように促される。

「もうそんな時期か」
「輝宗様!今日はお招きくださりありがとうございます」
「いや。梵天と小十郎とは?仲良くやっているか?最近政務で里美殿と会えなかったからな」
「はい!二人共仲良くしてくれてます。城の皆さんも声をかけてくださいますし…でも」
「でも?」
「もうそろそろ城からお暇しようかと考えてます」
「……そうか」
「雪が溶けたら出ていくと自分で言いましたし」

時期が来た。
長期に渡り気を使ってくれた伊達家、伊達軍のみんなには感謝してもしきれない。

「そんな里美殿にプレゼントだ」
「プレゼント?……輝宗様も異国語が使えるようになるくらい滞在させてもらったのに、そんな」
「伊達家、伊達軍…全員からの贈り物だ」
「全員…?まさか」
「梵天丸も小十郎も、里美殿の考えを知っている。竺丸も義もだ。だから今日の花見だ。受け取ってくれるな?」
「はい…っ」
「泣いている暇はないぞ里美殿!たくさん笑ってたらふく食べろ!」
「ふふふ……はい!」

午後から始まった豪華な花見は、大輪の桜と人々の笑顔が咲き誇りいつまでも笑い声が絶えなかったそうだ。

Fin.
→あとがき
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