ストロベリーの融解@


最近の晩御飯が毎日コンビニ飯でも。お気に入りのブランドショップが粉々になっても。
洗濯物が溜まりに溜まりまくって足の踏み場が怪しい時も。瓦礫で額を切りそうになった時も。
この日は必ず、って。約束があったから頑張ってこれたけれど。
この街は日夜事件事故が頻発しており、ちょっとした事件で銃弾が当たりそうになったり、四肢が空間構築魔術でバラバラになりかけたりと平穏無事にとはお世辞にも言えない。
今回事件を解決するためにライブラと共同戦線を張っていたなまえは、日頃の幸運も尽きたのか、肋骨と両足を骨折した。一部の骨を再生させるための医薬品が届くのは三日後。それは内密(もはや公然)にお付き合いしているダニエル・ロウとの逢瀬翌日だった。

「むりむりむり無理ーー!!」
「かわいそうになまえちゃん〜」
「何か月ぶりだと思っとんじゃあああ!!!」

普段は我が子を優先し、自分達秘密結社を捕まえようとしてくる警察に中指を立てているK・Kも、何日も前からデートを心待ちにしている同僚の様子を見ていたため、なまえを宥めようと涙を拭っている。
彼女は知っている。
愛する人との時間を邪魔されるのは毎回心が張り裂けそうになることを。
ライブラのリーダーであるクラウス・フォン・ラインヘルツは申し訳ないことをしたと病院の個室を用意してくれたのだが、それでなまえの気が治まることはなかった。なまえは本来であれば今回の作戦に不参加。
久方ぶりのデートだもの。乙女だって別の意味で戦闘態勢に入りたい。
このHLで恋愛に現を抜かすなんてとドライな副官は呆れたが、部下の性欲直列発禁銀猿(とあるかわいい人狼談)の騒動を見ても同じことが言えるのか?
歯ぎしりをするなまえとじとりと睨む女性陣の圧力に、今回は折れた。骨だけに。


珍しく期間のかかった調査が終わり。
破滅の危機が過ぎ去った後は現地解散、なんてHLPDはできない。
始末書の記載・上層部への電話は継続しなければいけないのだ。

(書類送るんだからそれ読め!)

胃袋は元気だから同僚と優雅にコーヒーとシケモクをしゃれ込むことだってできる。ここが病院でなければ。

「よう。魔境街の社畜ぅ〜」
「暇すぎてしょっ引かれに来たか……」
「からかいにきたんだよ!」

なんで憐れまれてんだ!!?と叫ぶ女の敵もとい猿。
見舞客用の椅子に勝手に座ってんじゃねえと呟くが、相手は聞き耳を持ちやしない。
思うようにいかないことで癇癪を起こす子供ではないのだが、回避できなかった瓦礫が当たり両腕が折れたせいで、満足に手錠もかけることができない現状にイライラする。そんな馬鹿の背後からひょこっと顔を出した難儀な一般人顔の構成員、レオナルド・ウォッチ。

「暇なのかお前ら」
「……そんなこと言うならイチオシの情報、あげませんよ」
「ほう?内容によるな」

その言葉に、奴らはニヤリと笑った。