Blue2
『...大丈夫、めっちゃ愛したるからな』
唇が触れそうになって、ハッと我に返った。むしろちょっとだけ触れたのかもしれない。慌てて章大の胸を押したと同時に章大の唇が少し尖って私を恨めしげに見た。
『...なぁ、お願いー』
「..............。」
『なんか言うて、』
合わせていた手を下ろして、今度は駄々を捏ね始めた章大を横目に見る。
「嫌」
『なんでぇ!』
眉を下げて高い声で不満を漏らすと、ソファーに座る私の隣に不満を顕にしながらわざと乱暴に腰を下ろしその距離を詰める。
「嫌だから」
『めっちゃ気持ち良くしたるやん!』
顔を近付けてそんなこと言わないで。そうじゃなくてもドキドキしてるんだから。
尖った唇が愛しい。でも許してしまうのは、何だか怖い。
『そこそこデカい思うで?』
その言葉に驚いて思わず章大を見た。
...な、何それ。なんてこと言うの...。だから何、って話だけど、そんな言葉を聞いて動揺しないわけがない。
私の動揺を悟ったのか、章大の表情が変わった。ますます2人の間の距離を詰め、楽しそうに私に笑顔を向けながらベルトに手を掛けるから心臓が飛び跳ねる。
『...ちょっと見てみる?』
「.....いい!」
『見てみよ♡な!見てから決めよ♡』
ふざけているのか本気なのか最早わからない。止めるために必死で章大の腕を掴むと、逆にその手を取られて顔が近付けられた。
『...キスは、いい?』
「..............、」
『...どうしても、嫌なん?』
急に声のトーンを落としてそんなこと言うなんて狡い。可愛い顔して急に男になるなんて、本当に狡い。
『...俺は、どうしてもお前がいい』
それ、どういう意味?気持ちがないのに、ただ口説くためだけの言葉だとしたら、許さない。
『...お願い。抱かせて』
End.
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