……………

どこまでも続く青い海。

眩しい程の真っ白い砂浜。

燃えるような真っ赤な太陽。

この地球上には、私とリッキーのふたりきり。


あれ?リッキーとふたりきり…?


リッキ…




ボビー「ビッキーちゅあん…愛してるよ☆」




ギャァアアアア!!!!



彼女が握っていたのは筋肉もりもりボビーの腕だった。

そんなこんなでバイク組の6人がやってきたのは夏真っ盛りのとあるビーチ。

定番の水着の女性達が海水をバシャバシャと飛ばして遊び、ダンディな男性がクールに肌を焼いている。

夏といったらやはりコレだ!


「どうだ?やっぱり夏だったらクソ暑い室内でゆでだこになるより、情熱的な太陽の下で海水浴だろ!
たまにはこんな所でぱぁっと遊ぶのもいいんじゃないか?」

「キャァ!ジム君最高ー!普段全然使えないのに〜★」

「うるさい。そしてひっつくな。気持ち悪い」

腕に巻きついてくる海パン全身タイツボビーをジムはウザそうに振り払う。

太陽の熱は大歓迎だが、男のむさ苦しい熱は今は必要ない。


「やっぱ海って言ったらぁ〜」

するとビキニを着たビッキーがピースをしながら彼らの前に現れた。

「じゃーん☆ビッキーちゃんお着替え完了♪
リッキー!アナタなら写真撮ってもイイわよん★」

自慢のナイスバディに映えるオレンジドット柄のビキニだ。

ムチムチとした若い体に無駄に甲高い声。

顔も目立つ事から他観光客の男達の視線が多く集まっている。

そんな事には全く気づかず、恥じらいなく目当ての男に抱きつく彼女。

リッキーは照れながら苦笑い。その横で悩殺されたジムとボビーは無意識に鼻血を流している。


「ガキのスク水なんて興味ねーよ。アイツはどこ行った?」

更衣室から最後にだるそうに出てきたナイジェルは、ダークな黒と灰色の水着に薄い紫色のパーカーを羽織っている。

彼の目的はまた別の女性だ。

サングラスを指で下げて周りを見渡す。


「こっちよ」

自分を探しているとわかっている、人を惹きつけるような艶のある声。

男が振り返ると、いつの間にか水着に着替えていたサラの姿が。

ビキニのビッキーとはまた違い、爽やかな黄色のグラデーションのパレオを巻いたファッション。

胸元は大きく開いている。


「おまたせ」


「「………………。」」


同時に固まるリッキーとナイジェル。

その横からひょっこりとジムが現れ、彼女に近づいてマジマジと覗き込んだ。


「お、似合ってんじゃん!やっぱお前色気あるなぁ」

「褒めても何も出ないわよ」


仲良さげに話すふたりは、普段から事務所でも暇があれば雑談をする仲だ。

元々気が合うらしく、グループの中でも常識人として数えられる。

気兼ねがなさすぎて男女という意識がなく、ジムもサラをほぼ女として見ていない。

それは皆知っているはずなのだが。



ヒュー…

楽しそうに話しているジムにあるものが飛んで来…


「痛ッ!」

背中に小さな固い物体が直撃。その犯人はもちろん。


「痛ぇ!ナイジェル、その辺にいるカニを投げてくんじゃねぇ!

リッキー!なに子供達が作った砂のお城崩してんの?その子達がお前に何をした!?

ボビー!お前、海水で頭を洗うな!
大丈夫!そんな事しなくたってお前の髪は充分綺麗な白髪だから!」


サラの事を気に入っている男達が嫉妬で暴走している。

ボビーに至っては嫉妬も何も関係ないのだが、単純に暴走している。

こんな事に突っ込んでいたらキリがない。これが我々の日常。

「――ブッ!」

その瞬間、ジムの頭に次なる災難が飛んできた。


「イッテ!今度は誰だっ……あ?」


彼の頭を直撃したそれは、砂の上にころんと転がって落ちた。

赤と黄が交互に織り交ざっているビーチボール?

誰の物だ?と遠くを見ると、案の定ビッキーがこちらへ走ってくる姿が見えた。


「アハッ!ごめんね、フレディー!」

彼女の悪気のない笑顔の謝罪に、彼は頭を抑えながら言う。

「あんまり悪い事をしたと思ってないだろ?というか俺の名前はジムだ。仲間だろ?一々間違えるなよ」

「だって顔が薄いから覚えられないんだもん」

「顔と名前は関係ないだろ」

「そんな怒らないでよ、マイケル♪」

「だから…」

「あ、そうだ!みんなでビーチバレーやんない?」


提案してきた彼女に全員の視線が集中した。


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