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……………
いつもと変わりないウィンディラン本部。
「サラー、今夜は暇じゃねーの?」
「暇じゃない」
「昨日も忙しかったじゃねーか、何してんだよ?」
「睡眠よ」
「ふざけんなよ。そんな事で忙しいんなら、俺は年中超多忙だ」
メインルームにいるのは、ソファーに座ってテレビを観ているサラ。そしてそんな彼女を口説いているナイジェルのアダルト組。
ジムは外出中で、ボビーは自室にこもっているようだ。
某アニメを観ている彼女が振り向く気配もない為、ナイジェルがリモコンを取ろうとしても失敗続き。
疲れた彼は仕方なくテーブルを挟んだ彼女の前のソファーに座り込んだ。
「それにしても買い物に出たバカップルは遅いわね。もう6時よ」
「どっかでイチャついてんだろ。それより…」
ガチャン!!!
「うあああ――――!!!」
突然大きな音を立てて玄関の扉が開き
噂をしていたビッキーとリッキーが、買い物からとんでもない勢いで帰宅してきた。
「おかえり。どうしたのよ、騒々しいわね」
ビッキーはサラの胸に、リッキーはナイジェルの胸にそれぞれ飛び込み、何か怖いものを見たようにピーピー泣き出す。
「何だ?俺が恋しくなっちゃったのか?ったく、まだまだガキだなぁ、お前ら」
「百歩譲ってこのふたりがアンタを恋しいなんて思うはずないでしょ。どうしたの?そんなに泣いて」
サラが号泣状態の年下組に訊くと、何やらおかしな答えが返ってきた。
ビッキー「ボビーが…!細胞分裂して増殖して、世界を征服しようとしてるのッ!!」
リッキー「そっ…外に…ボビーみたいな、何か物凄く気持ち悪い物がたくさんうごめいています!」
ハァッ?と当然の反応を返すナイジェルとサラ。
言っている意味がわからない。
「と、とりあえず落ち着け!何?外にボビーがいっぱいいんの?」
「はい!」
「そんなもの、いるわけナイジェルよ…」
と、ふざけながら窓を覗き込むサラだが。
…ん?
「ははは!兄さん、待ってくれよー!」
「うわぁぁ!お腹空いたよー!」
「ワンワン!」
視線の先には、溢れんばかりの謎のボビー軍団が密集している。
兄貴ボビー、姉貴ボビー、弟ボビーに犬ボ
バッ!!
サラは咄嗟にカーテンを閉め、外界との交信を遮断した。
「……………。」
「サ…サラ?」
「…大丈夫。あれは………CGよ」
ナイジェル「お前が一番大丈夫じゃないな」
ギャァァ―――!!!!!
無言の空気を一気にぶち壊したのは、ご近所さんへ回覧板を回しに行っていたジムだ。
「オイ―ッ!!この星は危険だ!今すぐ脱出するぞ!」
玄関を通過する事なく、生身の体のまま壁をぶち破ってメインルームへ入ってきた彼は大声を上げて周囲にそう伝える。
その瞬間、本物のボビーがメインルームの騒ぎに気づき部屋から出てきた。
「あ。お帰り、ビッキーちゃんとその他。どうしたんだい?」
「うわっ!近づくな!ボビーになるぞ!」
ジムの言葉に先程のサラの反応。
間違いない。
今ボビーに近づいたら徐々に肌が黒く変色して、着ている服が全身タイツに変形する!
全員が慌ててボビーから後退り。
彼との距離をぐいぐい広げる。
「ちょっとぉ〜…お邪魔するわよぉ〜!」
そこへリッキーとビッキーに見覚えのある姿が、ジムの破壊した壁の穴から勝手に部屋の中へ進入してきた。
ウザったい位の長い白髪をひとつに束ね
ウザったい位の分厚い唇にリップを塗りまくった
ウザったい位の巨乳。
買い物に出ていたふたりが先程出会った「ボビエ」とかいうギャル女だ。
「うわ!また出た!」
「な…何だありゃ!?ボビーのギャルか?ボギャルか!?」
次々とボビークローンが登場してきて、当然だが全員が慌てふためいている。
ボビエはちらりとメンバーの顔を見て、その中にいる商店街で出会ったリッキーの存在に気づいた。
「あ!アンタさっきボビエの胸を嫌らし〜目で見てた変態男じゃね!?」
「なっ…!?///」
「へぇ…嫌らしい目でねぇ」
冷めた目で彼を見るサラ。
「見てないですよ!」と動揺するリッキーは慌ててボビエに訂正を求めようとすると、
気がついた時には、既に女はその立ち位置からいなくなっていた。
「あ〜ん!いたぁっ!」
ある人物の元へ走っていたボビエ。
顔がそっくりのボビーの元だ。
「あっ!ボビエ!」
運命の再会シーンを、訳がわからずに茫然と見つめる一同。
ビッキー「え?知り合い?」
サラ「違うわよ。あれは生き別れになった彼女よ」
ジム「何!?ボビー彼女いんの!?俺はいないのにアイツはいんの!?」
そこへ謎の元カノ・ボビエを引き連れたボビーがこちらに向かって歩いてくる。
「そういえば紹介がまだだったよね?こいつは…」
全員が耳をピクピクさせて興味津々。
「妹のボビエだよ。よろしくね」
「「………………。」」
妹キタ――――――――(・Д・`*)!!!!!!!
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