……………

「仕方ないですね。じゃ次は俺が行くので、ちゃんと参考にしてくださいよ。ジム」

ボビーのとっておき作戦が無残にも失敗に終わった後、次に名乗りを上げたのは可愛らしく微笑むリッキーだった。


「お前は訊いても何も知らなかったじゃないか。どうやって行くんだよ」

「さっきひとつ学びました」

「さっきって…さっきの!?ダメだ、お前にはまだそういうのは早い!第一ここには遺産を目当てに悪事を働く婦人も、禁断の愛に溺れ浮気に走る夫もいないからね!?」



「…で、相手は誰だ?」

ナイジェルの一言に振り向くふたり。

「ビッキーにやったら取り返しがつかない事になりそうですから。試しにサラにやってみます」

「え?ヤバいって!あんな狂犬を相手にして嘘がバレるとたこ殴りにされるぞ!」

「本気なら良いんですよね」

「……っ」



……え、何?

この子、何を言ってるの?

馬鹿なの?

そんな重要な事、わざわざ試しでやらなくても…



「あのさリッキー君…。本気とか…そういうのは俺達がいない所でやってくれない?」

「………?」

「だから…そだ!ナイジェル、お前が代わりに女役やってやれよ!」

「は?嫌に決まってんだろーが」

「じゃぁ俺がやる!だから…」


リッキー「本気で殴られれば良いんですよね(^O^)」


忘れてた、この子は単純に馬鹿なんだった。



「ったく、騒がしいわね。むさくるしい男達が休日の昼間からこんな所に集まってて悲しくないの?」


そこでナイスタイミングに長い金髪を揺らして噂の彼女が階段から降りてきた。

顔は美人なのだが、右手に「5%割引」のシールが貼ったままのチューハイ。

左手に至っては袋詰めのにぼしが握られている。

これを見ると世の男達は幻滅するだろうな。


「悲しくなるのはむしろこっちだから。性別が違うってだけで、お前は完全にこっち側の人間だからな」

「何言ってるの、一緒にしないで」

「俺達ですら、昼間からおつまみにぼし片手にうろついたりしねーよ」



そこで目当ての女性の登場に、リッキーが待っていましたとばかりにジムの前に出た。

彼は早速お得意の爽やかスマイルを繰り出す。

「サラ、運転不足だと体に悪いですよ。軽く運動した方が良いんじゃないですか?」


作戦@【運動不足を指摘する】


「運動?そうねぇ、たまには良いかもね。何をしようかな。ナイジェル何か案ある?」

「んー…ハンマー投げとか」

「どこが軽いのよ。ジム、アンタは何が良いと思う?」

「あ?あれで良いじゃんよ。モンスターボックス」

「なんで私がモンスターボックスをしないといけないの」


くだらない答えばかり返ってくるので彼女はため息をつき、質問をしてきたリッキーに回答を出す。

「良い案が浮かばなかったから、全力で呼吸をする事にしたから」

「サラ…それは全力でやらないと、体に悪い所か死んじゃいますよ」


至って真面目な答えに彼も苦笑いだ。

相変わらず彼女は、綺麗なのにどこかが抜けている。


「仕方ないですね。とりあえず俺の部屋で一緒にプロレスをしましょう」


作戦A【自分の部屋に連れ込んで、楽しくプロレスを…】


ジム「するなァッ!!もう下心が丸出しだろ!ニコニコ笑ってそんな事考えてんのか!」


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