「見て見てミヤ君!僕、超勉強出来そうじゃね!?」

「…っ!それは僕の眼鏡だろ、返せ!」

「ふたりともうるさぁい。皆見てるよぉ」


仲良く騒ぐ高校生バンドグループも、ここではただの迷惑な客。

ここは街の中心にある大きな図書館だ。

最近はツアー続きで勉強もままならなかったweather lifeの5人。

事務所で宿題に励もうと試みても上手くいかなかったらしく
図書館なら静かな場所だし、ゆっくり勉強が出来るだろうと雨宮が提案したのだ。

1階から2階まで天井が開けており、開放感のある建物内にはたくさんの本棚が並んでいる。

探したい本をすぐに検索出来るタッチパネルがあったり、小さな子どもに絵本を読み聞かせる部屋も。

端にはカフェまで設けられている充実した図書館だ。

ここへ来れば自然と形から勉強を始めたくなるに違いない。

そう思っていた。

が…


「おっ!美空さん見てください!漫画本もあるっすよ!」

「すごー!いいねいいね!あ、雑誌もあるじゃーん!」


日晴、美空ペアは予想していたが、他の雑誌や漫画に夢中になっている様子。

雨宮はすかさず目を横にやると…雪之原の姿がない。

予想的中。

ウサギ大百科の前で足を止めていた。


「はぁ…」


大きくため息をつくと、肩を誰かがポンと叩いた。

背の高い柔らかい笑みを浮かべるクラウディだ。

全く…僕の苦労をわかってくれるのは君だけだな。


「…ッ♪」

「…ん?」


彼の手に何かが握られている。

黄緑色のクマのついた可愛らしいカードにクラウディの名前が。

ここの図書館の貸出カードだ。

…つまり。


「………。」


上を指差し、軽く手を振る彼。

本を借りてくるから2階に行くね!と…言っているらしい。

クラウディ…お前もか。


雨宮の悲しい背中をよそに、スキップをしながら楽しそうに2階に上がる彼。

そういえば最近また新しい小説に夢中になっているようだったな。

図書館から大量に借りてきて、ソファーで読んでいたし。

あれか…。


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