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〜バッティングセンター編〜
「サラ。ここは?」
「ここはバッティングセンター。野球の練習場みたいな所よ」
ヒル兄妹が次にやってきたのは、街中にある小規模なバッティングセンターだ。
若い男性や家族連れなどが気軽に遊びに来るスポーツセンターで有名な場所。
バイク組の5人とも来た事が数回あるが、ナイジェルとリッキーだけが割と上手かった以外は全員全滅だった。
ボビーに至っては相手が機械にもかかわらず、何十回もデッドボールをぶつけられてたな…。
「お腹も一杯になった事だし、この辺で庶民のスポーツを体験しましょう」
「野球の練習場か…。大リーグの選手にも直々に挨拶をしないとと思っていたしな…丁度良い機会だ」
「大リーグの選手がいるのなら、私ひとりで真っ先に来てたわよ。ほら、行くわよ」
「待て。まずユニフォームを新調しなければ…」
携帯を開く兄の言葉を無視し、サラは勝手に中へ入って行った。
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「サラ。ここは?」
「だからさっきも言ったじゃない。バッティングセンターだって」
スポーツ専用の靴に履き替えて中に入ると、ジョンは何故か唖然としていた。
予想していた景色と目の前の景色が全く違う。
「投手がいないぞ…?審判もいないし、ベースや観客もいない」
「何勘違いしてんの。練習場って言ったでしょ?機械が飛ばしてくるボールをバットで打つだけ」
「ボールやストライクの判定は誰がやるんだ?」
「そんなもの自分でやりなさい」
「なるほど…。じゃ3回ストライクしたら交代だな…。第二打席の執事に大至急こちらへ向かうよう連絡を入れておく」
「もう突っ込むのも面倒だから。私が執事に連絡しとくから(しないけど)早く入って」
腑に落ちない様子で妹に言われた通りとりあえずバットを持たされ、ネットをくぐってみるジョン。
右にも左にも知らない男達がバットで飛んでくる球を器用に打ち返している。
なるほど…ああやって行う遊びなのか。
「…………。」
「……サラ。ボールが…飛んでこない…」
「お金を機械に入れないと何も反応するわけないでしょ!」
「あぁ…そうなのか。先に言え…」
言われた通り財布から小銭を取り出し、その機械に近づいてみる。
これにお金を入れて…
『速度を指定してください』
ジョン「ん…?速度まで決められるのか…?
ふむ…画期的だな…。ヒルカンパニーの経営にも生かせないだろうか…」
サラ「生かせるわけないでしょ。速度なんて適当に入れればいいのよ」
「………。」
すると兄は妹の言葉を無視し、再び黙り込んで一時停止モードに突入した。
今度は一体何を考えているのだろうか?
適当にって…適当が何kmなんだ?
いや、むしろ野球の球のスピードの基準速度は…一体何kmくらいなんだ…?
そういえば昔、父親にレッドソックスvsマリナーズの試合へ連れて行ってもらえた事があったな。
僕がまだ小さい頃。
よく覚えてないけど…目に見えないくらい物凄く早かった気がする…
ウチに置いてあるジェット機と大体同じくらいかな。
あのジェット機の速さは…確かえっと…
サラ「なにボーッと突っ立ってんの?早くやらないと日が暮れるわよ」
ジョン「あぁ…。今からやる…」
隣のガタイのいい客を観察し、見様見真似で打席に立ってみるジョン。
構える姿はなかなか様になっている。
「焦らなくていいから。きちんと目を凝らしていればボールは見えるから集中して」
「わかった…」
ネットの向こう側から見ている妹に返事をし、普段使わない細かい神経を集中させる。
キーッ……
不穏な音が機械から漏れている。
「来るわよ。構えて」
「…………。」
シュピッ…
ガシャァアアアアアアンッ!!!!!
「キャァアッ!!!」
「うわぁあああッ!Σ」
猛スピードの風に凄まじい轟音と破壊音。
平穏だった小さなバッティングセンターに、一斉に悲鳴が溢れかえる。
隣のガタイのいい男が思わず逃げ出しネットに絡まっている。
サラも何事だかわからずに、気づいたら地面に座り込んでいた。
「…………え…?」
目線を上げると、ネットに焦げた穴、後ろの壁にへこんだ跡。
そして床には黒焦げのボールが…。
ジョン「…惜しい。1ストライク」
サラ「アウトッ!アウトどころか退場よ、アンタッ!!!」
立ち上がった妹が何故か激怒、ジョンはぽかんとしていた。
気がつくと他の客も僕達を見て怯えている様子。
「アンタ、一体何kmに設定したの!!?」
「時速1000km」
「1000km!?なんで!?」
「なんか…基準がよくわからなかったから…。自分の過去の記憶を頼りに」
「どこの脳みその引き出し開ければ、野球の基準速度時速1000kmに辿り着くのよ!」
「でも…ちょっとかすった。打てない事はない」
「打てないわよ!もし奇跡で打ち返せたら、アンタもうメジャーリーグにぶち込むから!」
「…え(´,,・ω・,,`) 」
「照れてんじゃないわよ!何喜んでんの!」
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