……………


ブオオオオオ…


信号の色が赤から青に変わり、停止していた車が次々と走りだした。


あの日から日にちはあっという間に過ぎ去り、気がつけば番組当日。

ドロップスとのテレビ初共演の日だ。

その日は朝からマネージャーの五十嵐さんに車をまわしてもらい、生放送の現場となるビルへ向かっていた。


7人乗りの大きなシルバーのワゴン車。

後ろのシートでクラウディとエマが楽しそうに手遊びをしている。

中の列は日晴と雪之原と美空。

そして助手席には雨宮が。



「今日はついにドロップスとの初共演の日っすね。雪之原さんはどう思います?」

「どうって言われても…そんなの会った事ないからわかんないよぉ」

「どうせそんな答えが返ってくるかと思ってましたよ。あの人達、テレビで観る限り一見派手な印象っすけど…」

日晴と雪之原の会話、その言葉にマネージャーもハンドルを切りながらケラケラ笑っている。


「実際会ってみると案外良い人達かもしれないじゃないっすか。仲良くなれるといいっすね。ね、雨宮さん」

「…。まぁ、仲が良くなるに越した事はないがな」


車は走り続けて既に30分は経過している。

道が混んでいる様子もないし、この調子であればあともう30分程で目的地に到着するだろう。


「…………。」


雨宮は瞳だけを動かして、斜め後ろに座っている美空をバックミラー越しに見る。

昨日は事務所にいる時も特に大人しく、会っても言葉をほとんど交わさなかった彼。

緊張しているのか、はたまたイライラしているのか。

その顔を見る限り、どちらにも取れる表情をしていた。


今日の生放送…

何事もなく無事に終了すればいいのだが。


- 630 -

*PREV  NEXT#


ページ: