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……………
「さて。ではこれからの時間は、正しい応急救護処置の基礎知識を教えます」
楽しいクイズ大会も無事に終了し、午後は別室での特別授業だ。
教官はもちろんジム達ではなく、この学校ベテランのおじさん教官。
板張りの部屋に5枚のマットが敷かれており、weather lifeのメンバーはそれぞれの配置に誘導される。
「懐かしいわね」
「そうだな」
ウィンディランの6人はその光景を眺めて、横から彼らの実習を見学する事となった。
「はい、位置につきましたね。では始めましょう。
今から皆さんにお教えするのはAEDの使用方法。そして心肺蘇生のやり方です」
マットの上に横たわっているのは、成人男性型のマネキン。
そしてその隣にはAEDの機械だ。
「これは人の命を救う重要な知識です。皆も是非覚えておいてね!」
美空「先生誰に喋ってるんですか?」
「このマネキンさんは、突然道端で倒れ心肺停止状態になってしまいました。大変です。
救急車を呼ぶのが第一ですが、隊員が来るまでの数分間の対処で、この方の生死が大きく左右される可能性があります。
患者を助けるためにその場にいる皆さんで、出来る限りの事をやりましょう。
@まずは肩などを軽く叩いて意識の確認。
10秒以上呼吸がないと判断されれば、周りの方へ大声で協力を呼びかけてください。この時、無駄な時間をなくすために効率の良い分担を決めてください。
119番通報やAEDを持ってくる人など。
そして心臓マッサージを行う人は速やかに始めてください。
A心臓マッサージは倒れている人の鼻をつまみ顎を上げて、人口呼吸を2回、胸骨の圧迫を30回。これを交互に繰り返します。
BAEDが来たら電源を入れ、患者の服を脱がせてください。
この時無理に動かすと危険ですのでボタンが付いている服でなければ、生地をハサミで切るなどの対応を取り極力体は動かさないでください。
脱がせ終わったら右前胸部、左側胸部に電極パッドを貼り付けます。
C貼り終わると自動的に機械が解析を始めます。この間、患者の体に絶対に触らないでください。
D充電が完了されショックボタンが点灯したら、周りの人に離れるように伝え、誰も体に触っていない事を確認後ボタンを押します。
Eそれでも意識が戻らない場合は、直ちに心肺蘇生を再開します。
流れはわかりましたか?それでは皆さんも目の前のマネキンで実践してみましょう」
「「はぁい〜」」
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「イチッニッサンッヨンッ…」
「おぉ、七音のくせに珍しく真面目にやってるじゃないか」
「あぁジムさん。何言ってんの、僕はいつも大真面目じゃん!」
「よく言うわ」
珍しく真剣に人口呼吸の練習をしている美空に、やってきたジムは感心して頭を縦に振る。
「28、29、30!鼻をつまんで顎を上げて…」
「ん?お前呼気吹き込み用具は使ってないのか?
先生に渡されただろ?直接唇が触れないようにする、感染対策のビニールみたいな」
「えぇ、いらないよ!そんなの!」
「そうか…?」
「だって倒れてる人が超美人かもしれないじゃん!」
「真面目にやってる理由はそれか!助ける動機が不純なんだよ!
お前…もし倒れてるのが不細工なオバハンだったらどうすんだ!?」
「その時は…えっと……。」
「ふざけんな!命の重みは人も動物も皆同じなんだ!」
「ジムさんすげー良い事言った!」
……………
「ハチジュキュゥゥッ!、キュゥジュゥゥウッ!!キュゥジュイッチシャァアッ!!煤v
リッキー「日晴君…一生懸命なのは良いんだけどちょっと力入りすぎじゃないですか?
それに一度にマッサージやりすぎ」
「人の生死がかかってるっすよ!!!ウオオオッ!!!!俺が!俺がやらなければ!」
「熱血なのは良いんですけど。ほら、押す力のメーター振り切れてますし…」
「ヒャクニジュウイッチュァ!ヒャクニジュウニィッィヤァッ!!ヒャクニ…」
バキッ!バキキキッ!!!
日晴「アアアアッ!!肺が!肺が潰れたっす!」
リッキー「だからやりすぎだって言ったでしょ!」
「大丈夫っすか!?チックショ、なんでこんな事に!俺が今すぐ応急処置をしますから!」
「貴方の応急処置のせいですよ!」
……………
「29、30……ハァ、結構辛いな。手が痛い」
サラ「やだ、雨宮君もうダウンなの?相変わらず筋力ないわね。
そんなんじゃいざという時、誰も救えないわよ」
「わかってますよ、そんな事。邪魔しないでください。
…えぇと、この用具を口にはめてビニールを広げ、息を吸い上げ…」
サラ「………。」
「…はぁ、これもしんどい。あとサラさん、あまり見られていると気が散るのですが」
「雪之原君」
「ん?なんですかぁ?」
サラに呼ばれて雨宮の陣地に入ってきたのは、隣のマットにいた雪之原。
程良くサボりながらやっていたせいか、全く疲れた様子は見られない。
「雨宮君が人口呼吸キツくてやりたくないんだってぇ」
「……。へぇ、そっかぁ、ならぁ…」
ニヤリと笑った彼は、懐からある物を取り出した。
以前に変装で使用したエマのカツラだ。
何をするかと思えば、それを何故かマネキンの頭に被せ始める。
「これで嫌でも人口呼吸したくなるんじゃないのぉ?」
「は?///オマ…何を…」
「こんな用具もいらないわよねぇ」
サラもほくそ笑みながら、マネキンの口から感染防止用具を外す。
雪之原「ほらほらぁ、早く人口呼吸しなきゃ助からないよぉ?(カメラ起動)」
サラ「ウフフ、何躊躇してるのよ。君が一番したかった事でしょう?(動画起動)」
雨宮「このドSコンビが!こんなマネキンに出来るわけないでしょ!!」
雪之原「なにぃ?やりたくないのぉ?それじゃぁ、僕がお先に…」
雨宮「はぁ!?やめろ、何してんだ!僕はカツラを取れと…」
あっという間に騒がしくなる室内に、おじさん教官が慌ててそれぞれを止めに入り始めた。
「君達、落ち着きなさい!一体どうしたんだ?」
ボビー「ビッキーちゅあん!僕にも!僕にも是非、ディープ人口呼吸をぉぉ!」
日晴「あぁッ!足が!今度は足が取れたっす!」
ジム「七音!勝手にマネキンに水着を着せてんじゃねぇ!」
「皆、落ち着いて!」
どこから注意をすればいいのかわからない教官は、右へ左へオロオロと。
美空「いいじゃん!僕の憧れのファーストキスは『海で溺れた女の子に人工呼吸をする』なんだから!」
ジム「男のマネキンに水着(しかもビキニ)着せて、お前のファーストキスそれでいいのか!?」
「ギャァァァアッ!!」
リッキー「ちょっとビッキー!AEDの使い方違います!ボビーの股間に貼らないでください!!」
「うぉおおお!!活★性★化!」
リッキー「ボビーもボビーで蘇生しないでくださいよ!」
「君達、もっと真剣に授業を…」
ドーンッ!!!
「「……っ!?」」
突然、部屋に爆発音が鳴り響いて全員が振り返る。
ある一部から、モクモクと黒い煙が上がっているのだ。
日晴「ゲホッゲホッ!って…あれ?今度はAEDが爆発したっす。この機械、案外脆いっすね」
ジム「機械が脆いんじゃなくてお前の力加減のなさ!
足が取れたりAED爆発させたり、どんな激しい蘇生術をやってんだ!」
「だって人の命がかかってるっすよ!一生懸命やらな……あれ?何この倒れてる人」
日晴の横に倒れているのは…爆発に巻き込まれた黒こげの教官だ。
「あああっ!!オッサン!」
「せんせぇ!!煤v
慌ててその部屋にいた全員が集まり、サラがしゃがんで呼吸を確認する。
「う…うぎゅぅぅ…」
「自発呼吸なし!これから心肺蘇生を行うわ!」
雨宮「うぎゅぅと言いましたよ!呼吸ありますよね!?」
「リッキーは119番通報!七音は止血準備!
ジムとビッキーとボビーとナイジェルと雪之原君と日晴君とクラウディ君と私でAEDを取りに行くわ!」
雨宮「ちょっと!!AED取りに行く人多すぎでしょう!消去法で僕が人口呼吸をやらないといけないじゃないですか!!」
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