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まだタメ口は無理だけどお互いの名前を気軽に呼び合うようになり、俺達の距離はますます近くなっていた。


帰りも(俺が偶然を装ってはいるものの)一緒に帰れる日も増えたし、ついには連絡先の交換まで出来た。


鈴ちゃんの色んな日常の話も聞き、俺も緊張が解けて色んな話が出来るようになった。


学校の事。

ギターの事。

メンバーの事。

そしてメディアへの自分のあり方についての悩みも。


彼女は真剣に俺の悩みも聞いてくれて、最初こそ驚いていたけれど親身になって慰めてくれた。

Weather Lifeの事をつい最近まで知らなかったけれど、動画やテレビで改めてきちんと観て、自分は俺が一番輝いて見えたと言ってくれた。

見てる人はちゃんと見ている。

日晴君は今の日晴君のままでいい。

無理をする必要なんてない。


それが涙が出そうな程嬉しくて、それと同時に俺にとって鈴ちゃんがどんどんかけがえのない存在に変わっていく。



見た目だけでなく、心まで美しい彼女。


笑顔が眩しくて、ただもっと一緒にいられる時間を増やしたい。


彼女さえ傍にいてくれれば、これからも俺は何があっても頑張っていける。


そしてそうしていく中で、当然のごとく俺の悩みはもう一つ増えていた。






彼女に告白をしたい。




男として当然だが、鈴ちゃんと友達以上の関係になりたい。



俺は寝る前に最近その事を考えていた。



でも…告白どころか、まともに人を好きになった事がない俺だから正直自信がない。


もし断られでもしたら…立ち直れない。


もう一生一緒に帰る事ができないかもしれない。


それがあまりに怖くて、俺は前に進めずにいた。








「はい、じゃ今日の音合わせはここまでねー。お疲れちゃーん」


そう言うと美空さんは、そそくさとカバンを握って部屋を出てしまった。


「今日は随分早いっすね」

「夜の街の女子をナンパしにでも行くんじゃない?ナオ君も飽きないよねぇ」


隣同士のロッカーを開け、俺と雪之原さんは自分のカバンを取り出す。




「そんな事よりさ、キョウ君はまだ決心つかないの〜?」

「え?なんすか?」

「あれれ?最近おんなじ場所に何度も入り浸って、どなたかの姫君とルンルンで帰ってるじゃん??」

「何を言ってるん……

…!?!?!?/////」




えっ…!?

なんでそれを雪之原さんが知ってるの!?


誰にもバレないように、皆が帰った後にコソコソ行ってたのに!///


「なっ…何の話っすか…?///」

「確か藤原さん…だっけぇ?南校のマドンナ。クラスは1年3組。園芸部。年齢16歳。告白された回数は高校期間だけでも6回。
アルバイト先はここから歩いて10分の場所にある花屋『ビビアン』
快晴村の自宅に家族と住んでてお兄さんが3人いる、花が大好きな可愛い子ダヨネ!確か部屋の間取りは…」

「いや、なんっっっすか!?!?なんでそこまで知ってるんすか!?俺の知らない情報まで混ざってるんすけど!?語尾のダヨネもわざとらしくてムカツクし!!!」



まさかここまで情報を知られているとは…

さすが闇の情報屋と裏で繋がっていると噂されている雪之原さん。

ここまでくると侮れないを通り越して気持ち悪い。



「………。それが…なんっすか///」


もはやここまで知られていると隠し通す事は不可能と判断し、目をそらしてしまう。

まぁ雪之原さんは個人情報を握りまくってはいるものの、それを人にバラしたりするような人ではない。


「ん??別に〜。キョウ君音外しまくってるくらい告白するか悩んでるみたいだったし、話を聞いてあげようと思って」

「えっ?俺そんなに音外してました!?」

「うん。ナオ君もリツ君も呆れてたけど、キョウ君ずっと上の空だったし」



まさかそんな事態になっていたとは…それは大問題だ…なんとかせねば…


「…………。」

「ん〜?なに?こっちじっと見てぇ」


この人に相談するのは釈然としないが…

でも他の人には鈴ちゃんの存在を明かすわけにいかない。




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