……………



「帰らないの?」

「誰にも邪魔されたくねぇだろ?」


狭い密室の中で色気に満ちた甘い貴方の声。

たくさんの資料や買い物袋を後部座席に乗せたまま、走っていた車は人気のない公園近くで停まる。

夜の暗闇にぽつんと取り残され、周りは気持ち悪いくらい無音の世界。

貴方は助手席に座った私の瞳を見つめたまま、自分のシートベルトを外す。


「ふたり揃って帰らなかったらジム達に怪しまれるわよ」

「んなもん、適当に道にでも迷った事にすりゃいいじゃねーか」

「行き慣れた会場の帰り道に迷ったなんて余計変でしょ」


あまりに浅はかな考えにクスッと笑ってしまう。

そんな私を見て貴方は不機嫌な顔に。



「わぁーったよ。じゃ、一回だけならいいだろ?」


「一回だけ?」


「…………。」




「ちゃんとビッキーに、嘘の仕事の予定を教えといたわよ。私がこうなる事を予想してないとでも思った?」




綺麗な青色の瞳に月の光が反映する。


ナイジェルの口の端がゆっくりとつり上がり…



「さすが俺の女だな」




ガチャンと音を立て、ふたりは唇を重ねる。



「んッ…ふ…」


クチュクチュと口内から嫌らしい音が漏れ、そして離れた唇と唇の間に銀色の橋が架かる。



「朝まで…ここにいましょう」

「あぁ」



女のシートベルトを外し、そのまま強引に自分の胸へ体を抱き寄せる。



「ナイッ……んっ!……ちゅ……///」



再び深く唇を重ねられ、自由になった手は彼の肩や頬にすがりつく。


チュッ…チュパッ…!


「ンッゥ…!…んっ…ハァッ…ナイジェルッ…」


彼の手も彼女の背中や首を強く抑え、頬にあたる息が生温かい。

お互い息を切らして興奮が高まる中、女が男に寄りかかる形で激しく抱き合う。



「サラ…愛してる」


「私も…ッ…」


何度聞かされても足りないその言葉。




愛してる。



貴方だけが欲しいの。



交わしていた唇は下へ下へとさがり


私は貴方を欲しいままに愛する。



彼もそれを受け入れ、夜の闇に身を任せ



壊し、壊され



今日も私達は狂ったように激しい夜を過ごす。


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