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「やっ…!ちょ!待ってくださっ…///!」
部屋の隅にあるベッドに寝かされた直後、彼女の上にすぐさまバレルが跨ってきた。
無表情に見下ろしてくる状況に、いざとなるとローラもどうしていいかわからない。
そんな怯えている彼女に構う事なく、自分の着ているシャツを脱ぎ捨て床に落とす彼。
裸になった上半身姿に視線が離せない。
「だかっ…!///待ってくださいって!バレルさッ…!」
すぐに大きな体が抱き締めてきて
クチュッ!
「…ッ!///」
首筋に噛みつかれた後に、舌で舐められる感覚。
「ちょっ…///…ひゃっ!…何してるんですかっ!」
シャブッ…シャブックチュッ
「ちょ!やぁッ///」
暴れて逃れようとしても離してくれないし、もちろん力の差は歴然。
まさに狼に食べられそうな羊の気分だ。
くすぐったいような、生温かい彼の舌使いに体中に鳥肌が立つ。
恥ずかしいっ…///
「ッ……」
ようやく首から少し顔が離れ、すぐに目が合うと…
「んッ!」
次は再びキスをされる。
舌を無理やり中に入れ、何度も向きを変えては…
チュパッ!…クチュックチュッ!
「んふっ…///…んっ…」
音を立てて激しく口付けを求めてくる。
呼吸さえ苦しくなってきそう。
覆い被さる体重がのしかかってきて、こんなに強く抱き締められると尚更…
「ハァッ……ハァ…」
唇を離すと彼女は頬を染めて肩で息をしていた。
目がトロンとしていて、そのタヌキ目が今は余計に色っぽい。
まるで風邪でも引いた顔だ。
「もう…なんなんですか…」
「……」
「っ…///…ヒャッ!」
後ろに回っていた片手が、突然背中からスルリと服の中に入る。
すぐにパチッと音が鳴って
簡単にホックが外された。
「えっ…?ちょっ…///」
「脱げ」
「脱げって…!///」
服を捲って無理やり脱がせようとする男の手。
慌ててローラはそれを止めようとするが、
「やぁっ///…待っ…あっ!」
こんなか弱い力で簡単に止められるはずもない。
服の中で背中に回っていた手が前に移動して、強引にブラの中に手を入れられた。
「バレッ…///…ダメで…すッ!!」
次は耳に噛みつかれ、甘い吐息とともに耳の中や裏に舌をはわたらせてくる。
服の中で胸を揉まれちゃう。
やだっ…おかしくなっちゃう///
「クチュッ…クチュッ!…ん」
「…ふぁぁっ///や…ぁ…」
あのクールだったバレルさん。
何を言っても無視されたり、冷たかったり
私になんか全く興味なさそうだったのに。
そんな彼が今こんなにも私を求めている。
慣れない状況に頭の中が真っ白になって…ふわふわとした感覚の中。
私より太い筋肉質の腕を無意識に掴む。
「ヤッ///…あっ」
そのまま勢いで服を捲られ、彼はその体の膨らみに口を付けた。
チュッ…クチュッ、チュッ!
「んあっ///…はぁっあ…ダメっ…で…」
足をばたつかせたってビクともしない。
バレルさんは歯形が付きそうなくらい、音を立てて私に吸いついてくる。
そのまま「邪魔だ」と言わんばかりに上着を脱がせ、自分が脱いだシャツの上に落とした。
「はぁっ…ん…はぁっ…」
「なんだ、その顔は…」
「だっ…///…は、恥ずかしいじゃないですか、こんなっ…」
眉間にシワを寄せるバレル。
さっきまで舐められていた胸を手で隠しながら、彼女の頬はますます赤くなる。
「は…初めてなんですから…///」
「…………。」
何も返事が返ってこない。
何故かただただじっと彼女の顔を見ている。
「な、なんですか?////…まさか…初めてなんて面倒とか言…」
「違ぇ」
起き上がろうとする彼女の体をベッドに押し付け
顔の横に手を置いて、上から見下ろす。
「………ッ…」
え…?
あのバレルさんが…
ほんの少しだけだけど。
…笑ってる?
「それでいい」
「……ッ////」
顎を掴まれて言われた台詞に
再び体中に鳥肌が立った。
すぐにまた彼はキスをしてきて、私の体を抱き締めてくる。
「バレルさッ…あっ!」
私も…何故かわからないけれど彼の背中に腕を回してしまった。
言葉じゃ上手く説明出来ない感情。
彼は、私が他の男の人とこういう事をしていない事を喜んでくれている…?
肌と肌が擦れ合い、バレルさんは熱い息を吐いて私の頬や唇、耳に口を付ける。
「んっ…ハッ…ぁ///…あぁっ」
「ハァッ…ぁ…クッ…!」
髪が指でグチャグチャにされちゃう。
肉食の動物が獲物に食らいつくように、体を押さえつけて白い肌に噛みつく。
彼はそのまま自分のベルトに手をかけた。
「…っ////…何っ…?」
「我慢出来ねぇ」
「……ッ…」
カチャ、カチャと下から鳴る音
すぐに慣れない感覚が彼女の体に伝わった。
「バレ…バレルさんっ///ちょ…!」
「触れ」
それを目で確認出来る勇気はない。
戸惑っていると手を掴まれて強引に下へ誘導された。
「…ッ…/////…んっ…」
初めての男性の感覚。
ずっと一緒にいて、初めて知った彼の姿。
心臓の高鳴りが抑えられず、言われた通りにすると。
「…ッ…グッ…!」
「……ッ…///」
体を振るわせて、枕を強く握り締めている。
さっきよりも熱く濃く感じる、彼の甘い吐息。
「ンァッ///…ハァッ…///」
「…ッ…く…ハァッ…」
凄い。
彼の心臓の鼓動がこちらの体にも伝わる。
私の手で…バレルさんがこんな乱れた呼吸になるなんて。
彼の嫌らしい官能的な息遣いと表情に
私までおかしくなってしまいそうっ…
「あっ!バレルさっ…!////」
「黙れっ…」
限界に達したバレルは遂にローラのストッキングに手をかけるが
さすがにそれは慌てて彼女も手を握って止める。
それでもストッキングから手は離されなくて。
「ちょっ!破けちゃいます!」
「じゃぁ、ゆっくりすっから大人しくしてろ」
「そんなっ…///」
破る事なく丁寧にそれを脱がされ…
「ひゃぅっ!」
体がビクッと反応する。
すぐに彼が下着を潜って指を入れてきたからだ。
「バレッ…やっ…ダメ…あぁっ///」
「濡れてんじゃねーか」
「恥ずかしい」など言う余裕も与えられず、すぐに私の中を確かめてくる。
指で掻き回してくる彼に、自然に変な熱い声が漏れてしまう。
最初は1本、次に2本3本と。
気持ち良いのかそうじゃないのかわからないけれど…とにかく体が熱くて
頭の中が思考停止しちゃうっ…
自分でも今どんな状態になっているのかわからずに、ただただ彼のペースに押されてしまう。
ドロドロとした卑猥な感触。
バレルさんは何も言わずに、指を動かし堪えている彼女の顔を見る。
「…ハァッ…ハァッ…////…もうっ…無理っ…」
「もう少し我慢しろ」
遂に私は全ての服をはぎ取られてしまった。
バレルさんはチャックの開いたジーンズだけを穿いたまま。
「ッ!…や、ダメでっ…!」
「……ッ…」
無理やり足を開かせて、塞げないようにその間に体を入れる。
「ちょ…待っ……これじゃ足が閉じれません!///」
「いーから俺の体ごと挟め」
その状態で、私の顔を挟むように手を置き
上から真っ赤になっているであろう顔を覗き込んできた。
「…バレッ…ル…さ…////?」
「…………。」
彼の瞳に私が映っている。
今までに見た事もない、
髪も乱れて、息が上がり、
信じられない程の色気を感じる姿に、抵抗する事を忘れて釘付けになってしまった。
「怖いか…?」
「それは当た…っ…」
ふと視線が顔ではない部分へ向かう。
今まで彼の表情にばかり目が行っていて気がつかなかったけれど
バレルさんの体は包帯や絆創膏にガーゼ。
とにかく痛々しい傷とアザだらけ。
今まで色んな人に無抵抗のまま暴行を受けていた証だ。
全部…やり直したかった。イチから…お前と…――…
傷つけた分、その分の罰を受ける。
もしそれで今までの罪が許されるのならば…
そう思った瞬間から…俺は人を殴れなくなってしまった。――…
「………ッ…」
蘇ってきた、昨日の彼の言葉。
ローラは無意識に手を伸ばし、ゆっくりとその傷跡を触る。
「バレルさん…。よく見たら傷だらけじゃないですか」
「………。」
彼は何も言い返さず、優しく自分の傷跡を辿る細い指先を見る。
「これが全部…私の為に受けてくれていた傷だなんて…」
気づくと彼女の瞳にうっすら涙が溜まり始めていた。
これは全て、自分の罪を洗い流す為の傷。
バレルさんが自ら選んだ、せめてもの償いの証拠。
彼はこんな姿になってまで、
私と一緒に生きたいと願ってくれた。
その気持ちが信じられないくらい嬉しくて…
「ありがとうっ…ございます…」
「…ッ……」
泣きながら笑うローラの顔。
はぁ?
馬鹿じゃねーのか。
勝手に怪我して、死にかけて、こんな惨めな格好になって
散々危険な目にも遭わせた。
そんな奴に向かって…ありがとう?
ふっざけんなよ…
頭…
おかしいんじゃねーのか…
シーツがグチャグチャになる程強く握られる。
今までに経験した事のない
狂ってしまいそうな激しい感情。
だから…
だから俺は
この女が大嫌いだ。
「バレッ…」
「愛してる」
彼の口から出た言葉に、ゆっくりと目を大きく見開いた瞬間…
ズブッ…!
「ンアッ///!」
我慢出来ずに入ってきた彼の体。
「ローラッ」
「バレルさッ…////来てッ…」
もう、拒む理由なんてどこにもない。
怖いなんて感情も、恥ずかしいなんて気持ちも
今の彼の一言で全て消えてなくなってしまった。
もちろん私も貴方を愛してる。
こんなに、心も体も壊れてしまいそうな程に
貴方は愛しい存在。
「んぁッ…あぁっ!…っ///」
「…グッ…ハァッ!」
強く抱き締めてくれる彼の腕の中。
伝わり合う鼓動にお互いの感情が交差する。
ジュブブッ…グチュッ…
ゆっくりとだけど、ひとつになっていく熱い体温。
彼女の体がバレルの色に染まっていく。
出会った時は、こうなる事を望んでいたわけじゃない。
孤独に取り残されている彼の姿を見て
純粋に「救いたい」という感情だけだった時もある。
だけど…今は違う。
「バッ…バレルさんッ…///…もうっ…どこにもっ…行かないで……ッ…!」
「あぁッ…行かねぇよ」
「はぁっ///…絶対…で…んっ…ンァァ///」
彼はベッドの上で何度も私の名前を呼んで、絡み付く汗を拭いながらひたすらに抱いて腰を振る。
まるで今まで溜まっていた感情が爆発してしまったかのようだ。
「ンッ///ハァッ……ぁ…くちゅっ///」
キスも飽きるくらいされて
「アァッ!…ダァッ…///アック…んっ!」
激しく攻め立てられるあまり強く声が漏れると、咄嗟に口を手で塞がれる。
「隣に聞こえんだろ…抑えろッ…」
「だぁっ…///…ふぁっ…バレルさっ…!凄いッ…こんなっ…んんぅっ////」
口を塞ぎながらも、彼の勢いは止まらない。
繰り返される度にギシギシと音を鳴らすベッド。
これだけでも下の階の人にばれちゃいそうなのにっ…
「んッ!ハァッ…んんぅっ///」
ダメッ…!
パンッ!パンッ!パンッ!
どうしようっ…!私…壊れちゃうっ!
「ンハッ…グッ!……ハァッ!」
「…ンンンッ///…んっ!バレルさっ……熱い…!」
「…ッ!…ハァッ、…アッ」
上等品でもないベッドに激しく負荷がかかる。
口から離し、放り出されていた手に自分の手を重ね、強く指を絡めて握ると
彼女も強く握り返した。
「ハァッ…ハァッ!グッ!」
「んっう…やっ!待っ…!」
「ンッ!ハァッ、あっ!」
そのリズムが最高潮に達した瞬間…
「んぁっ!」
腹部に彼の欲が飛び散った。
それは私を愛してくれた白い証拠。
「ハァッ…ハァッ…////」
「…ハァッ」
ようやく静かになった部屋の中。
まだ残るねっとりとした熱い空気。
彼はテーブルにあったティッシュでそれを拭き取り、初めてを終えた彼女の顔を見た。
「ハァッ…ぁ…////…はぁ…ぁ…」
激しくしすぎただろうか。
頬が赤く染まり、汗ばんで甘い吐息で呼吸するその顔。
自分が欲望のまま噛みついた跡が体に数箇所。
おまけに服の上からではわからなかった、スタイルの良い体と綺麗なライン。
「チッ」
「なんで…舌打ちするんですか…」
「うるせぇ」
そう言いながらも休む間もなく、彼は再び彼女の体に影を落とす。
「消えてんじゃねーか」
「…えっ?」
汗ばむ絆創膏の貼られた手で触ってきたのは白い背中。
しかしローラにはそれが何の事だかわからない。
「消えてるって………あっ」
ふと「背中」で思い出した記憶。
そういえば、前に背中に見知らぬアザのようなものが出来ていた事があった。
痛くも痒くもないし、そういう虫か何かに刺されたんだろうと当時は思っていたけれど。
確かあれは…私が酔っ払ってここで泥酔した日辺り。
「………。」
「…え?バレルさん…?」
こちらを見たまま何も言わない彼。
その顔に、徐々にまさかの予想がよぎる。
「…っ、あれ…まさか貴方が?」
「あの時はあれで済んだだけ感謝しろ」
「私、何を…ッ…!」
気を抜いた瞬間、突然ベッドにうつ伏せに押し付けられる。
「ちょっ!何するんですか!」
「クソが。鈍いのも大概にしとけよ。俺以外の男に同じような事されたら殺すからな」
「そん…ヒャッ///」
背中に噛みついてくる彼。
吸い付いてくる場所は前回と同じ部分。
あの日の事は、私は酔い潰れていて全く覚えていないが
「…チュッグチュッ」
「んぁっ!////」
官能的な音とゾクゾクとする彼の吸い付き方。
歯形を付けながら、これは自分の物だと言わんばかりに紅い跡を残そうと口付ける。
***
それはローラが同窓会の飲み会で泥酔し、誤ってバレルの家を自分の家だと勘違いして押しかけてきた日の夜だった。
ローラは酔ったまま下着が苦しいと言い始め、バレルは気が済んで彼女が眠るまで隣の部屋で待っていたのだが…
「んうぅう…外れなぁ…」
ガチャン!
「チッ。手退けろ」
「あぁ、お母さん〜」
このままでは埒が明かない。
背中に回していた酔っ払いの手を退け、バレルは服の中に手を入れる。
極力見ないようにし、手探りで位置を探した。
「んぅぅ…///」
「フラフラ動くな」
右に左にクラクラ揺れる彼女に、慣れない外し方。
ホックは掴めたが片手ではなかなか外せず、両手を服の中に入れる。
「チッ。動くなっつってんだろ」
「お母さん…ご飯〜」
聞こえていない反応にイラついてもう一度舌打ち。
もう、後で文句言われても知らねぇからな。
頬に怒りマークを浮かべ、強引に服の背中側をブラが見える位置まで上げる。
カチッ。
ようやく外せた。
クソが。全然締め付けてねーだろ、これのどこが苦しいんだ。
眉間にシワを寄せ、ようやく手を離そうとするが。
「………」
初めて見せる背中。
男の自分とは違う、滑らかなライン。
陽に当たらないからか、腕や足よりも白い。
今まで見てきた女よりよっぽど綺麗で汚れていない肌だ。
それが目についた途端に、バレルも思わず手が止まってしまう。
ローラ自身は意識が朦朧として、自分の上着が半分脱がされている事に気づいていない。
何があっても、コイツにだけは手は出してはいけないと思っていた。
俺が触れていい存在ではない。
手を出してしまえば、きっともう引き返せない。
そんな事は初めからわかっていた。
ふと指で触れると、見た目通り滑らかな肌。
「……。」
唇で触れると、一瞬だけピクリと反応した。
クチュッ…
「んぁっ…///」
舐めると寝ぼけながらおかしな声を出しやがった。
それを聞いてしまうと、
体がもう反応してしまう。
クチュッチュッ…
「はぁっ、んうぅ///」
舌で背中を味わう度に、体を前に倒して声を上げる彼女。
起きてんじゃねーのかと疑う程の嫌らしい声。
バレルは背中からお腹に腕を回し自分側へ抱き寄せ、紅い跡を残す程角度を変えて吸い付く。
「…んぁっ!…はぁっ///あぅっ…」
「いい加減にしろ…っ…んな声聞かされて…どうなっても知らねーぞ…」
邪魔な服を再び押し上げ
もう一度念入りに同じ箇所に深く跡を刻む。
伝わる熱い体温に体を押し付ける。
もう我慢ならねぇ。
後ろから肩を掴み
そしてそのまま床へ押し倒そうとした瞬間…
カクンッ!
「…ッ」
彼女の体が不自然に前に倒れた。
完全に寝てしまったのか。
顔を見るとのんきにスースー寝息を立てている。
本当に寝言だったのか。
どんなエロい声で喋ってんだ、クソが…。
バレルの肩が突然カクンと下がり、彼女の上着を元に戻して力なく座り込んだ。
もちろん、ホックは外れたまま。
自分の首筋を数回掻き、仕方なく立ち上がって体を抱き起こした。
***
「…は……ぁ…///」
すっごく熱い…。それにねっとりとする嫌らしい舌使い。
それを「快感」だと体が認識し、自然と彼女も声が漏れてしまう。
あの泥酔してしまった日。
こんな事をされてたなんて全く覚えていない。
彼がようやく唇を離すと、背中に再び赤い跡が残された。
彼女は力が入らない手を必死に動かして、ようやくベッドから起き上がる。
「バレルさん…これ…」
「…………。」
鏡のない今の自分では、目で確認出来ないけれど
確かに感じる、まだ熱い部分。
「消えたらまた付けてやる」
「ッ…」
「意味…わかるか?」
わからないと言う意味の首の横振り。
そのまま腕を引いて再びバレルはローラの体を仰向けに押し倒し
耳元で囁いた。
「俺の物って証だ」
頬を赤らめた彼女の反応にも微笑む事なく
再び首筋へ深く顔を埋める。
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