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ーーーーー



次の日の朝。

目が覚めると、日晴君の姿が隣にない。


「イッタ…」


起き上がると体が痛い。


時間は…スマホスマホ…朝の6時…


「藤原さん!!!!!」


「え??」


トイレから戻ってきた彼は、何故か僕の事を名字で呼びながらベッドに飛び込んできて…



「すんませんっっっした!!!!」


「…ッ!?」



深々と土下座をされた。

何故自分はまた謝られているのか?

理由もわからず返事の言葉が見つからない。


「え……と…」


「いや、自分に制御能力がない事はとうにわかってたっす!でもあんな時間までりんちゃんを付き合わせてしまって…」

「あぁ…大丈夫だよ。家族には昨晩友達の家に泊まってくるって連絡してたし…」

「それに…」

「それに…??」


なんだろう…日晴君がこっちを見て固まってしまっている。

…ん?



「…!!!」


ふとその視線に合わせて気がついた。


自分の体にたくさんの跡が残っているのだ。


「ア゛ァアァ!!!りんちゃんの真っ白でスベスベのマシュマロボディに俺がこんな…!すんません、ほぼ無意識だったんす!
いや意識はあったんすけど、もうそれどころじゃなくて…すんません!俺の体をアザだらけになるまで蹴ってください!!」

「嬉しい」

「えっ!?」


それこそ無意識に出てしまった僕の言葉に、ぽかんとしてしまっている目の前の彼。

だって…こんなの…


「嬉しいに…決まってるよ。
だってこの跡のひとつひとつが、日晴君が僕を愛してくれた証なんだよね。それだけで僕にはもったいないくらいで…」

「りんちゃん…」


もちろん、全く痛くなかったかと言われたら嘘になる。

一瞬でも怖いと感じたのも本当だ。

でもそれは本当に最初だけ。

日晴君と心でも体でも繋がれた事実が、僕には嬉しくて。

今では昨日よりもずっと…


「ありがとう、日晴君。昨日の夜は本当に幸せすぎて、もっともっと君の事が大好きになったよ。これからもずっと一緒にいてくれると嬉しいな」






笑顔で微笑みかけてきた恋人に、


改めて感じた。



俺は、この人が好きだ。





「………ッ゙…」

「日晴君?」

「す、すんません…朝からはさすがにマズイっすよね。今、必死に理性を抑えてるっす…」


女の子みたいに顔を抑える日晴君にくすっと笑ってしまった。



「ありがとう、りんちゃん…!

俺も、大大大好きっす!絶対にりんちゃんを誰にも渡さない!

俺の人生全てをかけて、君を愛する事を誓うっす!」


「そんな、大袈裟だよ(笑)」


「大袈裟なんかじゃない!!」


ギュッと手を握られて、目と目が合った。





「俺は本気っすから…。覚悟していてください」




真っ直ぐな瞳。


一瞬だけ、日晴君の顔が大人びて見えた。



「う、うん…」














ぐぅぅぅううう…




「…ん?」



地響きのような何かの音。




「すんません…。こんな時に…俺の腹が鳴ったっす」


「ははっ。昨日はご飯食べてなかったもんね。一緒に朝ごはん作って食べようか?」


「は、はい!!(りんちゃんの手料理…!)」



そうして握り合っていた手と手は離れたが



僕達は心から繋がる事が出来た。


もうきっと離れる事はない。



僕はこの人が好き。


そしてこの人もきっとおじいちゃんになっても、僕を大切にしてくれる。


そう約束してくれた。









「あ、そういえば昨日…その…ゴム3箱も使ってしまったけど!あれは俺が準備したものじゃなくて!あんなにするつもりは元々なかったんす!!」


「はは。そうなんだぁ」

「え、信じてない!?本当っすよ、信じてください!」





fin


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