二通目
どうしよう、忘れらんない。
そう、ポツリと部屋の中で呟いたのはあの日から1ヶ月ほど過ぎてからだった。
高をくくっていたのだ。
どうせ今だけのことだろう、と。
突然自分の好きな顔に出会って浮かれているだけだろう、と。
少ししたら忘れてしまってどこかで会えば思い出す程度のことだろう、と。
しかしどうしたことか、全く頭から離れる気配すらないのだ。
あの茶髪の少年は私の頭の中にずっと居座っていて、家の中ではもちろん、仕事中でも浮かんできてしまう。
あの甘味所を通る時、いつもいつも期待してしまう。
そこで私はようやく理解した。
私はあの時、彼に惚れてしまったということを。
たった一度のあと出会いで、どうしようもなく好きになってしまったということを。
どうするべきかは分かっていた。
相手は警察。しかも年がら年中刀を振り回し、命の危険にさらされているのだ。
それに、噂ではまだ18。
そんな人を好きになったとしても私は幸せになれるはずがないと、
忘れるべきだと、
頭の中では分かっていたのだ。
それなのに
「あのー、すいませーん・・・」
もう一度会えるかもしれない、そんな機会に喜んで行動する、私はきっとどうしようもない女なのだ。
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