「不毛だと、女々しいと分かっている。家のことも、ここまで不自由なく育ててもらった恩と愛情を忘れたことなど一度もない。両親が好きだ。父のことは誰より尊敬しているし、母は何より僕を大切にしている。母の選んだ婚約者も特に断る理由もない、美しく賢く、名家らしい品のある娘だ。自分がどれほど幸運なことか分かっているつもりだ。…君は、僕が知る中で一番に誠実で親切な男だ。優秀で、現にこうしてホグワーツの代表に選ばれている、それにハンサムだ。未来は明るい、君なら望んだもの何にでもなれる。綺麗で賢く、君にぴったりな素敵な女性と必ず出会える。──君に、幸せになってほしい。心からそう思う」



「それなのに、どうやったって君の手を、離すことができない。家や君の幸せより、自分の欲に従っている。こんなにも浅ましくて、醜い自分が、憎い。死んでしまいたいくらいだ」

「僕は、君の未来が欲しい」

ぽつりぽつりと涙ながらに零された彼の言葉にセドリックはどうしようもないほど愛おしさを覚えた。この場で掻き抱いてしまいたかった。


「僕が女だったら、僕ら幸せになれたんだろうか」
きみの運命になりたかった