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-- これでおしまいさ

静かに息を吸い込んで目を合わせる。久しぶりに正面から見た目はしっかりと色を持っていた。唯一そこになかったものといえば自分への関心だけだろう。それを改めて確信した。もう分かりきってる筈なのに、求めている言葉も、今から言おうとしている言葉も、きっと同じなのに。今にも自分を飲み込んでしまうのではないかと思ってしまうほど闇に包まれたその瞳から、言おうとしている言葉から、逃げ出してしまおうという気持ちがとめどなく込み上げる。もう一度息を吸い込んで、小さく吐いて。一言そう呟いて、これでおしまいさ。在り来たりな日々が、漆黒に包まれた気分で、逃げるように一人その場を後にした。

-- 不安が僕を通り魔するんだ

何度確かめて、何度問い掛けて、何度触れても答えはいつも通り。その“いつも”がいつから“いつも”になったのかは今や思い出そうとしても思い出せない。初めは特別だった。特別が日常になり、いつもになり、新たな“特別”が増えることはもうない。ならば、この“いつも”を非日常にする以外、特別を作ることができないのだろう。空を照らす物がない、真っ暗な夜闇からそう聞こえた気がした

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-- 或る夜の星の渡り

今日の夜は見覚えのない星がやけに目立って見えた。この場所から見上げる空が明るく感じたのはそのせいなのだろうか。明日の明朝にはこの場所を去るというのにまだ実感がわかないのはこの星が闇を照らしてくれているからなのか。そんなことを考えていると隣で君が珍しく「変な情にでも駆られてるんじゃないの」なんて言うから余計変な情に駆られて厄介な気持ちになってしまったような気がした。こんな所でぐずぐずなんかしてられない。これから先を進むんだ。この場所で残したものは全て君に託そう。そう思い明るい星空の下を君の手を取って歩き出した。

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Fake.