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何でオレとなずなは同じクラスじゃないのか。

「同じ学年でもクラス違えば意味ないよな」

授業中で静かな廊下を歩いていく。
倶楽部をやめてからは暇になりがちでたまに授業を受けていた。
なずなに言われたのもあるし学園を離れようと決意したのもある。退屈な授業も今だけしか受けれない。

「なのに行った時に自習とかまじ意味わかんねぇ」

なずながいれば見てられるし席移動して話せるのに。
やることも行くあてもなく廊下を歩き続ける。
寮まで戻るのもめんどうだしデート倶楽部の部室で寝てるかと足を向けかけて行き先を変えた。


「誰もいないか」

図書室まで来た。なずなといえば図書室。授業中だからいるわけないんだけど。
貸し出しカウンターには受付時間の札が置かれていて今は誰もいなかった。
中央まできて席に座る。なずながよく座る席の隣だった。

「なずなの事ばっか考えてるな」

誰もいない隣の席に視線を向ける。
心地いいやっかいな感情。もどかしいけどどこか優しい気持ちになれる。
隣になずなを思い浮かべながら段々と眠気がやってきて腕を枕にして顔を伏せた。

「昼になったら迎えに行くか」

呟いて眠りに落ちた。


温かい感触が頭に触れていた。撫でられているとぼんやりとしながらもわかる。

「……柔らかい」

小さく笑いながら囁かれる。
本人はただ独り言を言ってるつもりなんだろうけど距離が近いらしく耳元で囁かれているようだった。
図書室だから静かにしようとしてるのか?相変わらずやることは優等生だな。
そんなところも嫌いではないのが不思議だ。

「どうせなら抱きしめろよ」

撫でる手の持ち主の方へ顔を向けると目があった。

「あっ、葵くん起きてたの!?」
「寝てる」
「起きてるよね?」

目があって驚いたと同時に手は離れてしまった。温もりを名残惜しく思いつつ顔を上げた。

「もしかして起こしちゃった?ごめん」
「いや、なずながここにいるって事は昼休みだろ?寝すぎたから起こしてくれて……なずな、何でここにいるんだ?」
「え?」

固まった身体をほぐすように伸びをしながら図書室の時計を確認すると昼休みは終わっている時間だった。
明らかに寝過ぎだろオレ。

「葵くんとお弁当食べたかったから」
「授業いいのか?」
「うん、寝顔見れたし可愛かったからっ」
「はぁ?」

なずなは嬉しそうにおかしな事を言い出した。そんな嬉しそうな顔滅多にしないのにそれがオレの寝顔見たからって何だよ。

「勝手に見んなっつーの」

まさかずっと見てたのかと思うと恥ずかしくなってきて顔を背けた。

「葵くんの髪気持ちよかった」

ここぞとばかりにからかおうとしてるのがわかる。
いつもなら無理矢理話終わらせて図書室出ていくところだけど今日は何となく違った。
撫でられて気持ちよかったからかもしれない。

「なずなの髪も気持ちいい」

なずなの方に顔を向けて手を髪に伸ばした。
少し癖のついた髪が心地よかった。

「なずなのどこ触ってもキモチイーけどな」
「葵くんっ」

仕返しとばかりにからかうように言うとなずなは恥ずかしがりながら怒った。色々想像したんだろう。俺との色々を。

「じゃあ、昼食べに屋上行くか」
「うん」

まだ触れていたいけどこれ以上触っていたらやばかった。前なら考えなかったけど今は少しだけ考えてやめておく。なずなに嫌がれて数日口をきいてもらえないとか困る。前なら気にしなかったんだろうし無理矢理口きかせたりしたんだろうけどな。

「そういや、何で図書室にいるってわかったんだ?」

席から立ってここが図書室だと思い出した。

「前にもいたから。前に昼休みに迎えに来なかった時に私が探したの覚えてない?」
「あったな……だからって今回もそうだと限らないだろ」
「何となく?」

なずなはわかってないようだったからこの話は終わりにする事にした。
前にもここで寝過ごした事を思い出した。縁のない場所だったのにいつの間にか居心地がよくなってたらしい。ただしなずながよく座る席の隣限定で。

「そろそろ屋上だと寒くなるよね」
「何、牢屋とかで食いたいの?」
「違うよっ」

歩きだしながらこれから先の事を話し出す。
明日はどこで食べようかなんて話でも嬉しかった。なずなの隣で生きていけるんだと実感できるんだから。



H23.11.27

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