act.7新しい仲間


「よいしょっと。材料はこれでこれで全部だったよ。」

加州さんの体調が良くなり、新しい仲間を迎えようと

『政府からの支給されたのと、今回の出陣で持って帰ってきたものを合わせても...。』

足りない。
最低でも、五十づつ必要だ。
でも、加州さんをまた送り出すのは...。

「足りないなら、俺が集めて来るよ。」

その一声に振り返ると、いつの間にか武装した加州さんがニッコリと立っていた。

『か、加州さん!ダメです!また大怪我したらどうするんですか!』

わぁわぁと加州さんを止めようとするが、ヒョイヒョイ突破される。

玄関までたどり着いてしまい戸の前に立ち塞がる。

「はぁ...。主は、本当に頑固だね」

ここまで必死に止めようとして息を荒らげてる私を見て少し嬉しそうにくすくす笑いながら戸を開ける。

「もう、戸を開けちゃったんだから諦めなよ。」

『嫌です。』
気にせずに通せん坊を続ける。
外との境界線でヤケになりながら攻防戦を続けていると

「んー...??ねぇ主。何かあっちに」

ピタリと止まって指をさす。

『一体なんですか...?』

加州さんの様子を見て後ろを振り返る。
そこには、不規則に並んだ石の道にポツンと落ちていた。

確かめるように傍に駆け寄る。
加州さんよりも短い本物の刀。

『これって...短刀?なんでこんな所に...?』

「あ!」

加州さんが急に声をあげる。

「そう言えばこの間の出陣で、見つけたんだった。」
こんな所に落としちゃったんだなぁと苦笑いする。

「主、顕現できそ?」
『やってみます』

自分の力だけで顕現するのはこれが初めてだ。
加州さんは、こんのすけに助けてもらってそこまで負荷も無く顕現出来た。


集中する為に、一人自室に籠る。
『たしか、霊力を刀に送るだけで出来たはず...だけど。』

それらしく念じてみても何も起こらない。
『うーん。』

送る...送る...。

机に置いていた短刀を胸に抱きしめる。

『どうか、加州さんの助けに...』

これは純粋な願い。
あの人の痛みも苦しみも押し殺した笑顔は見たくないから。

傷つかないように。
苦しまないように。
力を。

チリーン...

鈴の音がしたと同時に、目を閉じていても分かる強い光が包む。

光が弱まり閉じていた目を開けてみると、美しい金色の髪。












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