「もう、ナマエのちょっとはちょっとじゃないわ!」
「ご、ごめんってヤム…おばあさんと、お喋りしてて」
「おばあさん?」
「そう、よそ見してたらぶつかってしまって」
「謝肉宴は人が多いから気をつけないとだめだよー」
「き、気をつけます…」
「それでそれで、それ髪留め? もらったの?」
「うーん、そのままもらってきちゃったんだけど、」
「へえ、見せて見せて!」

「すごい高そー!」
「やっぱり? どうしよう」
「折角もらったんだから、使っちゃえばいいのに! もらったんなら使ってあげないと。飾ってたってしょうがないし」
「…そ、そっか……ヤム? どうしたの?」
「――え、? あ、ううん。なんでもないわ。珍しい石だと思って」
「そうなの? てっきりシンドリアの何かだと」
「シンドリアの名産はアバレヤリイカの燻製と南国の果物だよ」
「あの南海生物が――」
(あの髪留め……変な、感じ)

砂粒ほどの、違和感を飲み込んだ。


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