冷えた掌で陽に触れて


もしも、きみが世界を変えるとして。
そんなちからが、手に入るとして。
その理由は、なんだい?
余程この世界を憂いているのかい。
世界中の不幸を想って変えるのかい。

それじゃあ、
わたしはちからを与えられないなあ。
わたしが、ちからを与えたのは、
いちどきり。
わたしの法則を変えてくれた、
お礼としてだ。
ほら。世界は、
そんな気紛れで変わるんだ。

彼女の思いも、
なんてことないものだった。
ただ、ひとを思う気持ち。
それを、愛と呼ぶ者もいるね。
それを理由に、
彼女はちからを存分に使ったよ。

世界は、変わるんだ。
なんてことのない、
ありふれた愛によって。
これは、そんな物語。
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