キャベツと玉ねぎのトマトスープC−Zoro−
なんで俺には話さねえんだ。
あいつにはそれ以上のこと話したんだろ。
そう言おうとして喉元で強く抑え込む。
言うべきじゃねえ、こいつが誰に何を話すかはこいつの自由だ。
他人が口出す問題じゃねえ。
「…」
頭でそう思っても、湧き上がる苛立ちは止まりはしない。
傷つけるよりはいいのか、俺だけが苛立ってる方が。
座っていた椅子に戻り酒を呷る。
さっきまで飲んでいた酒と同じものとは思えない味。
鍋の煮える音だけが響く。
マナが何かを鍋に入れた後、火を止めた。
「…ゾロ。」
「…あ?」
「…知りたい?」
背中を向けたままだったマナが、ゆっくりこっちへ向き直る。
「私の、昔の話。知りたい?」
珍しく表情の読めない顔だった。
怯え、か。
いや、期待かも知れないが。
いっそ諦めの表情にも見える。
だが。
例え裏にある感情が何であれ。
こいつが俺に、話してもいいと思ったという事実。
「あァ、もちろん」
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