カプチーノB−Sabo−




「…あの、」
「なあに?」
「サボくんと、どういう関係なんですか?」

来た。
どういう関係、か。

「…私が一番大変だった時期に力をくれた、とっても大切な人、かな」

彼氏、とかの嘘をつくより、こっちのほうがずっとモヤモヤを残すだろうな、と思いながら答える。

と、私のスマホが鳴ってサボからLINEが入る。
起きた、という内容に、今同期のコアラちゃんが来てるよ、と返信する。
ものの1分でサボが部屋から飛んできた。

「お前なにしに来てるんだよ」
「だってサボくんから返信無いから、なんかあったんじゃないかって、」
「だからっていきなり訪ねてこられても困るから」
「サボ、その言い方は良くないよ」

サボが一瞬考える。

「…悪い。でもこういうことしないで欲しい」
「…わかった。…ごめん、もうしない」

泣きそうな顔でコアラちゃんが帰っていく。

「サーボー、泣かせちゃったじゃん」
「…いやでも迷惑は迷惑だろ」
「それはそうだけど」
「…マナもなんか言われなかったか?」
「ううん、なんにも。むしろ余裕ぶったお姉さん演じておいたから」
「おお、やるなお前」
「うふふ、でしょ」
「…腹減ってきた」
「鍋焼きうどん作ろうか?」
「お、さんきゅ」

まるで、こないだのことが何にもなかったみたいだな。
毎年この時期に、サボが風邪をひいて、私が鍋焼きうどんを作って、を繰り返してきたから。
1年前に戻ったような錯覚を覚える。

ねえ、サボ。

冷蔵庫に向かう後ろ姿に心の中で声をかける。

どういうつもりで、私にキスしたの。
私のことが、好き?

もし答えがYesだとしても、私にはその後が想像つかないし、
聞いてしまうことが、関係性を決定的に変えてしまうのがわかっているから、
いつも声には出さないで自分の中に質問を沈め続けていた。



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