シフォンケーキC−Robin−


鳴る電子音にマナが反応して、話題をごまかす様にケーキを取り出しにかかる。
「お待たせしましたーシフォンケーキー」
「ケーキも大事だけど今はこの話のほうが大事よ!」
「…ダメか」

こちらに視線を送りながら「ロビンに見つかった時点で逃げられないとは思ってたけど」と呟いている。

「あら、別に隠すようなことじゃないと思うけど?」
「なんか変わるわけじゃないんだしさ」
「そうかな、私は変わっちゃうような気がする」

この場所を作ったのは彼女だと聞いた。
自分の作った場所が、自分のせいで壊れることを危惧しているのかもしれない。

「にしても、四時間返信無いだけで調子悪いってわかんないでしょー普通」
「ローは普段そんなに寝てることないもの。しかも昼に」
「そうなの?」
「あんまり長く寝れないのかもしれない」
「よく見てるわねえマナは」

この中の誰より、一人一人を気にかけているのが彼女だから。
幸せになるのには本来権利なんて必要ないとはいうけれど。

「だから、何かお返しするとしたら、疲れが取れるのが一番だと思うんだよね」
「こういうところよね」
「そうね」
「え、なにが?」
「こういうところがこういう事態を招くのよね」

彼女は、誰よりも幸せになるべき人。

「そうやってみんなに『自分は特別だ!』って思わせてるんでしょ」
「なにその濡れ衣」
「あら、私も思わされてるわよ」
「そうね、私も」
「…みんな思ってるならもうそれが普通なのでは」

例え、彼女の選択で誰かが傷ついたとしても。
それでも彼女は幸せになるべき人。

「さっき焼けたほう、もう食べられるけどどうする?」
「あたしフルーツトッピング!」
「私はチョコソースにしようかしら」
「ロビンはクリームだけでいいんだっけ?」
「ええ、ありがとう」

だから、どうか、幸せに。



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