とても短い話


1000文字に満たない話、ネタなどを置いています。
名前変換はありません。

嫁の初めて見る一面に固まる荀攸


「さて。間者を捕まえたはいいが、どう吐き出させるかねえ。そっちは門外漢なんだが」

「こちらとしても手荒い真似はできればしたくありません。言うつもりはありませんか」

「誰が貴様らなんぞにっ……!」

「ははあ、こりゃ駄目だな。鎮まるで繋げておくしかないかな?」

「それでは時間がかかってしまいます。一刻でも早く敵の情報を入手したい今、彼には早急に吐き出してもらわねばなりません」

「それはそうだがねえ。荀攸殿は拷問の経験がおありで?」

「……」

「なし、か。ちなみに俺もない。加減を間違えて情報源を潰すことだけは避けないとな」

「仕方ありません。この手は避けたかったのですが、ここは自分が―――」

「公達様、賈詡様」

「こりゃ意外なおでましだ。何故あんたがここに?」

「軍師様から二人の様子を窺ってきてほしいと任せられましたので。……ええと、なんと報告しましょう……?」

「すみません、情報は少し待ってください」

「荀攸殿が珍しくやる気になったところだと伝えてくれ」

「やる気……?」

「賈詡殿」

「おっと。あんたに血なまぐさいことは関わらせるなときつく言われてたこと忘れてたよ。そういうことで、あんたはさっさと戻りな」

「公達様、顔が硬いようですが大丈夫ですか?」

「問題ありません。郭嘉殿には今しばらく待つようお伝えください」

「…………わかりました」

「では―――」

「わたくしにお任せください」

「…………は?」

「賈詡様、公達様をお連れして退席をお願いしてもよろしいでしょうか。なにぶん人様にお見せできるものでもありませんので……」

「あんた、そっちの経験があるのか?」

「大丈夫です。父様が町医者をしていたので人体の手解きは受けています。死なせずに苦しめる手法は心得ていますので、どうぞお任せを」

「あっははあ!こりゃ面白い!正直荀攸殿を連れて行くよりあんたの手捌きを拝見したいところだが、ここは大人しくあんたに従うとするか。固まってる荀攸殿は任せてくれ、俺が無事送り届けるとしよう」

「ありがとうございます。一刻と経たずに戻りますのでそれまでお待ちください」






「―――戻りました」

「おかえり。情報は手に入れられたのかい?」

「はい。……あの、後始末はわたくしにさせていただけないでしょうか」

「駄目です」

「お、やっと荀攸殿が動いた」

「そのような青白い顔で無理をしないでください」

「公達様……」

「やはり俺がやるべきでした。すみません、自分が不甲斐ないばかりにあなたに心労を―――」

「いえ……!わたくしは全然大丈夫です。……ただ、失敗してしまって……」

「失敗?」

「最中に新しく考案した止血方法を試したのですが……、却って血の量を増やしてしまい……。その、…………うっかり殺めてしまいました」

「止血方法?なんでまたそんなことを」

「………………誰も引き受けてくださらないので」

「……常々何処か満寵殿の影を感じさせるとは思っていたが、いやはや荀攸殿も心強い妻を貰ったもんだな」

「荀攸殿、固まってしまってるね」


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